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なりたい!サウンドクリエイター!!Vol.8 サウンドクリエイターの就職活動 ~その2~

Vol7 にて、サウンドクリエイターとして、

『ゲーム会社にどのように就職するか』

を記載しましたが、今回は、応募や面接など、より実践的な話をしてきましょう!

ちなみに、Vol.7 の記事は↓。


●応募に必要な書類

就活サイトなどを通して、応募したい会社が見つかりました。
となると、必要となってくるのは、

①履歴書
②エントリーシート(職務経歴書)
③応募作品

の3つとなります。

履歴書はわざわざ説明することはないと思います。
学生の方でも、アルバイトに応募する時に履歴書を書いた経験があるでしょう。
基本は、それと同じです。

ただし、写真を撮る時の服装は、スーツが無難です。
クリエイターは大らかな人が多く、私服でも気にしないかもしれませんが、人事部の方はきっちりしている方が多いので、よほどのポリシーがあるのでなければ、スーツが良いでしょう。

②のエントリーシートは、自分がどのような人間かをアピールする資料です。
エントリーシートとは、例えば、

・自己PR
・学生時代に打ち込んだこと
・入社後にどんなことをしたいか

といったことを書くのですが、要は応募者の人となりを伝えるための資料となります。
新卒で応募する人は必須ですね。

一方、中途採用の方は職務経歴書が必要です。
今まで参加してきたタイトルや、どういったことが出来るかをとにかくアピールしましょう。

また、意外に重視されるのが、管理職経験です。
特に他業種から中途採用を狙っている方で管理職経験がある方は、その辺りをきっちりアピールするのがおススメです。

この業界、管理をできる人が少ないのです・・・。


●まずは書類審査の突破を目指せ!

サウンドクリエイターのゲーム会社への就職といっても、世間一般とほとんど同じです。

必要書類を提出し、書類審査から面接へ。
そして、複数回の面接を経て内定となります。

異なるのは、『作品審査』ですね。
まずは、ここで多くの志望者が篩にかけられます。

今までにも述べてきましたが、ゲーム会社のサウンドクリエイターの人数は、他職種に比べると非常に少ないです。

ゲームのスタッフロール、特に規模の大きいゲームのそれを見ると、良く分かると思います(ミュージシャンや声優もカウントすると、逆に一番多いかもしれませんが・・・)。

しかし、応募者(特に新卒)はどこの会社でも、かなりいます。
全ての応募者と面接すると時間が足りないので、最初の書類審査、特に、

『応募作品』

で篩にかけるわけです。

逆に、

『書類審査を突破して面接に進めた!』

となれば、あなたの作った曲や効果音は、

『プロのサウンドクリエイターの眼鏡にかなう品質』

ということになります。
自信を持ちましょう!!


●どのような作品を提出すればよいか?

ゲーム会社側からの指定があるならともかく、”最初の”課題は、自由課題ということもあります。

何を作るか悩みますよね?
なので、幾つかコツを述べたいと思います。

~コンポーザー編~

①楽曲のジャンルは幅広く用意しよう!

ゲームサウンドは、様々なジャンルの曲が要求されます。
そのため、『ロックしか作れません』というような、
特定ジャンルの曲しか作れないコンポーザーは、言葉は悪いですが、

使い勝手が悪い人材

となります。

ゲームサウンドは、多様なジャンルが要求されます。
しかし、ロックしか作れない人を雇った場合、その人の上長(サウンドディレクター)は、ロックしか作れないコンポーザーのために、常にロック曲が要求されるプロジェクトを用意しなければならないからです。

そして、そんな都合の良いプロジェクトはありませんし、そもそも、サウンドディレクターは用意できません(サウンドディレクターがプロジェクトを作るわけではないので)。

そのため、インハウスクリエイター、つまり、ゲーム会社の正社員クリエイターとなりたいなら、ゲームに合わせた多様なジャンルの楽曲を作れるスキルが必須であり、そのため、応募作品でそのスキルをアピールする必要があるのです。

なお、フリーランスとなると、話は変わってきます。
一人のフリーランスの作曲家に全曲を依頼するのではなく、

『このジャンルを得意とする作曲家に、一部の作曲を依頼したい』

というケースもあり、その場合は、特定ジャンルに特化した作曲家が選ばれます。

そのため、いずれフリーランスになりたいと考えている方は、満遍なく色々なジャンルが作れるようになりつつも、自分の売りとなるジャンルを持つことが望ましいと言えるでしょう。

②一番自信がある作品をトップに!

CDに焼くなり(古いか?)、zipにまとめてネット上にアップするなりで、各ゲーム会社にデータを提出することになると思います。

その場合、自信作を一番トップに来るようにしましょう。

データ名を、『BGM_01.wav』というように数字で管理すれば、一番上に配置されます。

ゲーム会社のサウンドクリエイターは、応募作品の確認以外に、普段の制作業務があります。

限られた時間を使っているので、全ての曲を聞いてもらえるかというと、それは微妙になります。
そのため、自分をアピールできる曲を上から順に並べていきましょう。

③御託を並べよう!

自分の作品のための解説書を用意しましょう。
曲を聴く側は、ただデータを送られてきても、困惑するだけです。

どのような意図で、どのような機材を使って、どういった箇所に特に注力し、どれくらいの期間をかけて作ったか?

少なくとも、これくらいはまとめておく必要があります。

というか、解説書は自分をアピールするための書類です。
ガンガンいこうぜ・・・ではなく、ガンガンアピールしていきましょう!

ただし、冗長な文章は相手の負担になるだけなので、コンパクトにまとめましょう。

~サウンドデザイナー編~

①幅広い効果音を用意しよう!

サウンドデザイナーの場合、単発の効果音か、何かしらの動画に効果音をあてたものが基本となります。

そして、それらの効果音は、

①効果音ライブラリを加工した音
②生音
③シンセサイザーで作った音

の3パターンで作られた音で構成されていることが望ましいです。

というのも、ゲーム中の全ての効果音が、『フォーリー録音』された生音で作られているのでなく、①のように、既存の効果音ライブラリを加工した音や、③のようにシンセサイザーで作られている効果音も多数あります。

例えば、ガラスの割れる効果音を生で録音する場合、

『ガラス購入 → 割る → 掃除』

の作業が発生するわけで、毎回、生音を収録するとなると、この作業が発生するわけです。

さすがに、大変ですよね?

話がずれましたが、そのため、①~③の音をバランスよく配置し、どのような音でも作れることをアピールするのがよいと思います。

②御託を並べよう!

これはサウンドデザイナーも同じです。

作り方、機材、制作時間、制作意図、アピールポイントなどをリストにして、大いにアピールしましょう!

③どんな効果音がいいのか?

コンポーザーと違い、サウンドデザイナーの提出作品はなかなか難しいと思います。

なので、岡本が提出作品として用意したデータを以下にまとめました。

・自分が担当した技やカットシーンの動画を複数
・フォーリーや自作のSE
・環境音

ちなみに、フォリーだと、リュックで作った兵士の動作音や、揚げ出し豆腐で作ったスパーク音など。
環境音は、史上2番目くらいに強い台風が来た時の風の音でしたね。
どちらかというと、ウケ狙いです(笑)。


如何だったでしょうか?
提出作品について解説しましたが、これはあくまで一例です。

型にはまったものではなく、ゲーム会社のサウンドクリエイターがびっくりするような独創的な音を提出するというのもありだと思います。

これが正しいという方法論はないのですが、逆にここが自分のスキルや発想力の見せ所となります。
目立ってなんぼの精神で、印象に残る音を作りましょう!

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