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大坂なおみ選手の「抗議」はどうあるべきだったのか。

一昨日、アメリカで開催されているテニス・トーナメント「ウエスタン・アンド・サザン・オープン」で準決勝に進出した大坂なおみ選手が、棄権することを表明した。

ウィスコンシン州で起きた警官の黒人男性銃撃事件に抗議するためで、彼女は自身のTwitterでこのようなメッセージを発している。

「私はアスリートである前に黒人女性です。また、黒人女性としては、いまテニスをする姿を見てもらうこと以上に、より注意を払うべきことがあると思っています」

翌日、大会の主催者が「スポーツとしてのテニスは、再び起きた人種差別や社会的な不公平に対して、結束して反対する立場を取っている。27日の大会を一時休止することで、それを表したい」との声明を出し、28日から大会を再開することを発表した。これを受けて大坂選手は「彼らは大会を延期することで、この抗議に多くの注目を集めてくれた。このサポートに感謝を述べたい」とコメント。大会に出場することを表明した。

日本国内に住んでいると、いまひとつ人種差別の問題はピンと来ないという方も多いように思うし、ましてや自身のメッセージを発信するために大会を棄権するということ自体に違和感を覚える方も少なくないだろう。実際に、日刊スポーツのテニス担当の記者もこのような記事を書いて、素直な心情を吐露している。

また、この一連の動きを伝えるニュース記事のコメント欄も賛否両論で、大坂選手が抗議のためにボイコットという手法を用いたことに疑問を覚えている人が多くいることも窺える。

批判のコメントをさらってみると、

「何の非もない大会に迷惑がかかる」
「スポンサーに迷惑がかかる」
「楽しみにしていた観客や対戦相手に失礼だ」

といった言葉が並んでいる。

しかし、と私は言いたい。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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