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キタムラの「冷製」マネジャー日記 #62


こんにちは。オトタケの右腕こと、キタムラです。

この4月でオトタケと仕事を始めてから10年が経ちます。思い返せば楽しいことも多かったですが、ご存知のように苦しいことも少なくありませんでした。

さて、コロナ禍による事態は厳しさを増しています。仕事は続々キャンセルになり、日記のネタも限界となりました。そこで今回は、スピンオフ企画として、ある印象深い事件のことを書いてみたいと思います。

私がマネジャーとしてお世話になっている10年の間には、たくさんの方との出会いがありました。よい方から悪いヤツまで、それはたくさんの。今からご紹介するのは、オトタケに近寄ってきた謎のご婦人のお話です。

おつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

7、8年ほど前だろうか。事務所で仕事をしていると、私の携帯に知らない番号から電話がかかってきた。ていねいな口調が印象的な女性は、フランスと日本を股にかけて仕事をしているそうで、時のフランス大統領、フランソワ・オランド氏の事実婚パートナー、バレリー氏とも懇意にしているという。

女「じつは、バレリーさんが、オトタケさんの大ファンで、フランスの芸術文化勲章であるコマンドゥールを与えたいとおっしゃっているのですが、いかがでしょうか?」

コマンドゥールとは、フランスの芸術文化勲章の一つで、最高位とされるらしい。

(これまでの日本人受賞者は、映画監督の北野武氏、建築家の安藤忠雄氏、歌舞伎俳優の十二代目市川團十郎氏ら)

右腕「(バレリーさん見る目ゼロやな)はあ、なんでまた?」

女「『五体不満足』はフランス語にも訳されていますよね? それを読んだバレリーさんが感銘を受けて、叙勲するようにオランド大統領に働きかけているんです。そこで私に声がかかり、繋いでくれないかと言われまして」

右腕「ああ、そうですかありがとうございます(棒)。とりあえず本人に確認してみますね」

私はそう言って電話を切った。オトタケに報告する。

右腕「……という話なんですがどうします?」

乙「へえ、そういえば昔、トルシエ(当時サッカー日本代表監督を務めていたフィリップ・トルシエ氏)の奥さんからも同じようなことを言われて、トルシエ夫妻と食事したことがある」

右腕「すごいっすね(棒)。今回も同じようなことらしいので、一回くわしい話を聞いてみますか」

乙「ほーい」

てな感じで、再度その女性に電話をかけた。

              
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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.mu/h_ototake/m/m9d2115c70116

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