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【落語へおいでよ #2】落語は、僕らを許してくれる。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.mu/h_ototake/m/m9d2115c70116 

長崎訪問のことなど書いていたら、ずいぶんと間が空いてしまいました。まずは、前回のこちらからお読みいただければ。

落語の世界が醸し出す独特の雰囲気に惹きつけられ、いつしか寄席に通うようになった私。なぜ、これほどまでに落語にハマってしまったのか。その理由をきちんと言語化できるようになったのは、落語を聴くようになって少なくとも一年以上は経ってからのことでした。

ひとことで言うとね、落語を聴いているとラクな気持ちになれるんですよ。リラックスできるなどという、そんな次元の話ではなくて、「自分を許してやろう」という気持ちになれる、と言ったらいいのかなあ。

みなさん、自分のこと好きですか?

唐突に何を言い出すんだと思われるでしょうけど、日本人はこの質問に対して「YES」と答える人の比率がとっても低いんだそうです。自己肯定感が低いんですね。なぜですかね。きっと理由はひとつではなく、いろんな原因があるんでしょうけど、そのひとつには「完璧主義であること」が挙げられると思うんです。

でも、完璧な人なんて、この世にいるんですかね。いるなら会ってみたいもんです。でも、「完璧な人なんているわけがない」と頭ではわかっているはずなのに、どこかで自分には完璧であることを求めていたりしませんかね。

その証拠に、自分の得意なところ、他人より秀でているところよりも、どうにも自分の苦手なところ、他人よりも劣っているところが、ついつい気になってしまうという人が多いように思うんです。

でも、まあ、そんな自分でもいいじゃないか。

落語を聴いていると、不思議とそんな気持ちにさせられるんですよね。

若い方はご存じないかもしれませんが、ほんの少し前まで、立川談志という強烈な落語家がいました。彼ほど「落語とは何か」を問い続けた落語家もめずらしいのではないかと思うのですが、その談志が落語についてこんな名言を残しているんです。

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