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車いすバスケが、パラリンピックから除外されるかもしれない。

ショッキングなニュースが飛び込んできた。今年8月末に開幕する東京パラリンピックから、車いすバスケが除外されるかもしれない、というのだ。

車いすバスケといえば、パラリンピックの中でも人気競技のひとつ。特に日本では、『スラムダンク』でも有名な井上雄彦先生が、車いすバスケをテーマにした『リアル』という作品を連載してきたため、非常に人気の高い競技なのだ。

いったい、そんな人気競技に何があったというのか。まずは下記にニュース記事を貼っておくが、簡単に経緯を説明したい。

車いすバスケでは、障害の程度に応じて、各選手に1.0から4.5までのポイントが設定されている。最重度の選手であれば「1.0」、最軽度の選手であれば「4.5」だ。さらに、コート上にいる5人のポイントの合計は、常に14点以内でなければならないと定められている。つまり、障害の軽い選手ばかりを出場させることができないようになっているのだ。

こうしたルールで運用されてきた車いすバスケだが、ここに「待った」をかけたのが国際パラリンピック委員会(IPC)だ。そもそも、国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)が使用しているクラス分けの基準が、IPCの基準にそぐわないものとなっていると警告したのだ。

具体的には、4.0や4.5にクラス分けされている選手の障害の程度が、あまりに軽すぎる、という指摘である。IWBFの基準では、限りなく健常者に近い運動能力を持つ選手が出場することになり、それではパラリンピック精神に反してしまう、というのだ。

しかも、IPCはパラリンピックが目前になったこのタイミングで、いきなり警告を発したわけではない。以前から、ずっと同じ指摘を繰り返してきたのだ。それでもIWBFはその警告を受け入れず、クラス分けの基準を見直すことなく運用してきたのだ。

なぜか。

そこには、IWBFの思惑もある。

             
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「乙武洋匡の七転び八起き」
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