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【現地写真】3分でわかる台湾総統選。

注目されていた台湾総統選は、民進党・頼清徳候補の勝利に終わりました。

私自身、『五体不満足』だけでなく、それ以外の書籍が何冊も台湾で出版されていたり、国分太一さんと共演した映画『だいじょうぶ3組』が上映されていたりと非常にご縁がある土地で、これまで10回以上はプライベートと合わせて訪れてきました。

そうしたこともあって、今回の総統選にはかなり注目しており、先日は現地も訪れてきたのですが、選挙を終えたいま、私なりに感じているポイントを簡潔に、3つにまとめたいと思います。

【①史上初の3期連続政権】
台湾では長らく民進党と国民党という二大政党が交互に総統を送り出しながら国政を担ってきましたが、今回の頼候補の当選によって、2期務めた蔡英文氏から数えて3期続けて同じ政党(民進党)が政権を担当することとなりました。これは、台湾憲政史上、初めてのこと。これが今後の国政にどういった影響を与えることになるのかは要注目です。

街中のいたるところに各陣営の巨大な広告が。

【②ねじれ議会】
一方、今回同時に行われた立法委員(国会議員)選挙では、民進党は単独過半数が取れず、ライバルである国民党に議会第1党の座を譲ることになりました。総統(頼清徳)は民進党、議会は国民党という、いわゆる「ねじれ議会」となります。こうなってくると、キャスティングボードを握るのは、今回の選挙で躍進した民衆党。“ポピュリズム政党”と評される民衆党が、今後の国政にどのような影響を与えることになるのか、こちらも要注目です。

街頭で熱心にチラシを配る支持者たち。


【③対中関係】
対外政策ですが、国民党は親中、民進党は親米が基本路線です。今回、国民党の侯友宜候補が新総統に選出されていれば一気に中国との距離が縮まることも予想されていましたが、結果は民進党・頼候補の勝利。依然、中国との緊張関係が続くこととなります。こうした中国との距離感については、今秋に行われる米大統領選挙の結果によっても大きく左右されているとも言われており、台湾の人々にとっても見逃せない選挙となりそうです。

台湾総統府。日本統治時代に建築家・長野宇平次によって設計された。


【感想】
今回の投票率は、71.86%。もちろん、日本は議院内閣制(内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名される)を採っており、国民が国のトップを選挙で選ぶことができないという違いこそありますが、やはり今回現地を訪れ、あらためて選挙や政治に対する国民の熱気を感じることができました。また、政党の側にもそうした熱気をうまく喚起し、拡散していくキャンペーンにとても長けている印象を受けました。本質的ではないと思いながらも、ある意味“フェス”のような雰囲気で選挙を盛り上げ、人々の関心を盛り上げていく手法は、日本の政党ももう少し本気で学んでいくべきなのかもしれません。

投票所に並ぶ人々。


いずれにせよ、台湾は日本にとってパートナーシップを築いていくことが必要不可欠な存在。これからも様々な形で注目し、そして連携を図っていきたいと思います。

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