あなたは、もう忘れてしまったのだろうか。

安倍元総理の国葬が執り行われた。この記事でも書いたように、今回の国葬に関しては、賛成派も反対派もネット上で激しい議論を繰り広げており、国葬当日も献花に訪れる人や反対デモを行う方などが入り乱れていた。私はなんだか憂鬱な気分になり、その日はなるべくネットから離れるようにしていた。

国葬そのものが終わった以上、その是非に関する議論は下火になっていくだろうが、私自身はむしろここから議論を進めていくべきだと思っている。と言っても、これまでのような「安倍マンセー」vs「アベガー」という不毛な構図ではなく、「どういった場合に国葬にするのか」という基準を設ける、あくまで建設的な議論だ(ちなみに私としては、「天皇陛下が崩御された場合以外、国葬は不要」と考えている)。

さて、「基準を設ける」という話で言えば、こちらの問題もまだまだ議論が続いている。悪徳商法などで多くの被害者を生み出してきた旧統一教会とのつながりが指摘されている自民党だが、そうした状況のなかで高市早苗さんが次のように発言したのだ。

「何が反社会勢力なのか、反社会団体なのか、まず定義がほしい。それに該当する団体や企業はどことどこなのか国会議員や地方議員、国民のみなさまにも周知してほしい。そういうことをやらないと、根本的な解決にならないというのが正直な私の率直な意見だ」

一見、正論のようにも思えるこの発言だが、私は過去のニュースを思い出し、「???」となってしまった。高市さんは、あのときのことが記憶からすっかり抜け落ちてしまっているのか。それとも国民はどうせ覚えていないだろうとタカをくくっているのだろうか。

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