運動会、まだ続けますか?

9月いっぱいまで続いた30℃を超える暑さもようやく一段落し、10月に入ってからは過ごしやすい気候が続いている。SNSからは行楽シーズンの到来を喜ぶ声とともに、週末になると「子どもの運動会だった」という微笑ましい投稿もちょくちょく流れてくる。だが、元小学校教師としては、ただ微笑んでいるだけでいいのだろうかという思いもないわけではない。

運動会は、「子ども・学校・家庭」をつなぐ貴重な行事である一方、はたして、今後も開催していく必要があるのだろうかという疑問も浮かんでくる。たとえば運動会では、徒競走で順位をつけず、「ゴール前でお手々つないで一斉にゴールイン」という都市伝説のような事象が流布されたことで批判が集まったり、近年は運動会の目玉のひとつでもあった組体操が危険極まりないとの指摘を受け、これを中止とする学校も増えてきた。

また種目についてだけでなく、保護者による場所取りの激化なども問題となっており、出番(学年)に合わせて保護者を入れ替えるなどの工夫もなされてきた。さらには授業数の確保や教師・保護者の負担軽減のため、運動会の開催を午前中のみに留める学校も増えてきている。

こうして様々な批判を浴び、徐々に改善点も洗い出されてきた学校教育における運動会だが、いっそゼロベースから抜本的な改革をすることを考えてもいいように思う。そのためには、当然のことだが原点に立ち返り、運動会とな何のために、そして誰のために開催されているのかを確認しておくことが必要だろう。

           ------✂------

ここから先は有料公開となります。

個別の記事を数百円ずつご購入いただくよりも、定期購読マガジン(月額1,000円)をご購読いただくほうが圧倒的にお得となります。

月の途中からご購読いただいても、当該月の記事はすべて読めるようになっているので、安心してご登録ください。

記事の更新はみなさんからのサポートに支えられています。ぜひ、この機にご登録をお願いします!

「乙武洋匡の七転び八起き」

ここから先は

2,401字

¥ 300

みなさんからサポートをいただけると、「ああ、伝わったんだな」「書いてよかったな」と、しみじみ感じます。いつも本当にありがとうございます。