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【前編】好きな俳優を描かずにいられない日本人がジョー・タスリムと出会った話

※2021年7月1日にブログにあげたものを再掲した記事です

4年前の私へ。
あなたの大好きなジョー・タスリムが日本で話題になる日が来るなんて想像できないでしょう。きっとジョーさんへの愛を毎日呟きながらも、心の片隅ではマイナーであることに寂しさを感じ、ワイルド・スピードにもスタートレックにも出たのに語り合える人がいないなんて…と残念に思っているでしょう。

でもね、2021年の上半期も終わりに差し掛かるというタイミングでモータルコンバットが劇場公開されてから、TLには自分以外の人が描いたジョーさんの絵が流れてきてる。そして沢山の人たちが日本語で「ジョー・タスリム」「ジョーさん」と書いたツイートを呟いているんだよ。

信じられないでしょ?夢みたいな話だよね。

まずは、モータルコンバット日本公開おめでとうございます。
私は一足先に海外で見て、これは日本で公開されたらTwitterの映画好きが大盛り上がりするタイプの作品だなと思ってました。私はモータルコンバット本家に関しては知識がなかったので、あくまで推し(ジョーさん)目当てで見たんですがそれはそれは楽しかった…。開始10分がクライマックスなんてことある?

今回はジョーさんと直接会った4年前の話についてです。長くなりそうなので、前編と後編に分けます。
タイミング的にも残念ながらモータルコンバットの話題はなく、当時の私が震える手で残したメモと僅かな記憶だけが頼りです。
それでも、ジョーさんについての日本語の記事がほぼないのは私がよく知ってるし、きっと私しか記録に残せないであろう話も少しはあると思うので、最近新たにジョーさんにはまった人がもっと興味を持つきっかけになれたら嬉しいです。例えばモータルコンバット以外の出演作とかね!

正直な話、当時は英語もそんなに話せなかったので間違って解釈してる部分がないとも言い切れないです。あくまで私の意訳で、もしかすると他のインタビューで矛盾が生じる話をしているかもしれませんが、そこはあまり深く考えず温かい目で見てください。

2017年6月。
フォロワーさんから勧められたザ・レイドをきっかけにジョーさんにどハマりした私は、連日ファンアートを描いてはジョーさんへのメンション付きでインスタグラムにポストしていました。
すると、ある日突然ジョーさんからフォローバックされたという通知がきました。えらいこっちゃです。

2017年9月。
相互フォローになった後も絵を描き続け、ジョーさんとたまにDMで話をするようになりました。あの頃は本当に距離感がおかしかった。
当時どうしてもジョーさんにファンレターが送りたかった私はいくら調べても送り先がネット上では見つけられなかったので、最終手段として本人に尋ねたところ普通に教えてもらえました。今はマネージメントの会社があるので、多分そこに送るのがいいと思う。
結局ファンレターとイラストとPUMAパロディのSHIBAと書いた黒いTシャツを送って、無事届くようにと願ってました。なんでそんなシャツ送ったかって、そりゃジョーさんって黒柴っぽいじゃん…?

2017年11月。
ファンレターを送った1ヶ月半後、ジョーさんから受け取ったよという連絡と共に「来週、家族旅行で東京に行くよ!」と言われました。
不躾ながらもこの目でジョーさんを拝みたいと思った私が「もしよければ直接挨拶できますか?」と尋ねたら、わざわざスケジュールを確認してくれて、最終的に東京のとあるホテルのロビーで待ち合わせをすることに。あれ?なんでホテル?って私もずっと思ってた。だって一目見て、あわよくばサインか写真をお願いするだけのつもりだったから。

2017年12月。
実はジョーさんから提案された日はど平日で当時の私は大阪で会社勤めだったので、どうにかして1日休みをもらってジョーさんと会うために東京弾丸日帰り旅をするしかなかった。社長に休暇理由を聞かれたら、好きなインドネシア俳優に会いに行くって正直に言うつもりだったけど聞かれませんでした。
そして無事休みをもらえた私は、お土産を片手にジョーさんと会うために夜行バスで東京へ。翌日は念願のジョーさんとの初対面。

2017年12月12日。
東京についた私は某ホテルの近くにあるスターバックスで時間を潰していました。
その間はひたすらスマホのメモ帳に書いた英語の挨拶を見つつ、脳内で会った後のシミュレーションを繰り広げながらソワソワ。

そして待ち合わせ時間の少し早めにロビーへ。私なんかが入っていいのかと思うほど豪華なホテルで、あまりの場違いさに一人で笑いを堪えてました。
ロビーまであともう少しの所でエレベーターホールをちらっと見ると、見たことのあるような人影が…。いや、そんなわけないと思ってロビー前で連絡しようとしたら、ちょうどエレベーターホール側からジョーさん!やっぱりあの人影ジョーさんだった!曲がり角で衝突するってシチュエーションは漫画の中だけでしょと思ってたら、うっかりジョーさんと衝突しかけるハプニング。

初対面からものすごい笑顔で私にすぐ気付いてくれて、どテンパリ状態で挨拶すると、ちょっと着いてきて〜とのこと。どこに…?と思いながら着いていくと、そこはなんとホテルのロビー近くにあったガラス張りのレストラン!窓際の席に案内してもらい、結論から言うとケーキとコーヒーをご馳走になりました。推しに奢ってもらうとかそんなことある?しかも「何がいい?」って聞かれて、コーヒーをお願いしたらジョーさんは私の分のコーヒーとは別にコーヒーとケーキを注文したから、推しがケーキ食べるのを目の前で見れる…!?と心の中で小躍りしてたら、ケーキ来た瞬間「はいこれ君のね!」ってくれた。お、男前ーーーッ!!!!ソファに座ってなかったら膝から崩れ落ちてた。本当に。

そしてなんとジョーさん私だけのためにわざわざ1時間もくれてみっちりお話することができました。もちろん会話は全部英語で、当時そこまで英語を話すことに自信がなかった私は、相手の話を引き出すのに必死でほぼ単独インタビューと化してました。いざという時のために聞きたいことリストを英語で作ってた私えらい!しかもジョーさんは私が理解できるようにゆっくり英語を話してくれてた。はぁ〜好き。

ほどよくテンションが上がってきたところで、ここからは過去の私が残したメモを参考にしたプチ単独インタビューの内容です。個人的すぎる部分はカットしているので、そんなに多くないかもしれないけど…。


HT:今までに出演した作品で1番大変だったのは?ザ・レイド、もしくはワイルド・スピード?
Joe:それは間違いなくザ・レイド!ワイルド・スピードは全然楽な方だったよ。だってハリウッド映画はリテイクになっても大体2〜3回くらいでオッケー次!ってなるからね。それとは真逆で、レイドに関しては1カットを20〜50回くらい平気で撮り直ししてたね。

HT:1カット!?1つのアクションシーンの合計リテイク数ではなく?
Joe:ではなく!例えば僕が殴られるカットがあって、ひたすら20回以上そこばかりリテイクするからずっと「ヴッ!ヴッ!ヴッ!」ってやってたwww(ちゃんと殴られるフリしてくれた)

HT:それはあまりにも過酷すぎて…!
Joe:監督がプロフェッショナルでこだわりが強かったからね…。彼はクレイジーだよ!でも間違いなくプロフェッショナル。クレイジー、かつプロフェッショナル。…でもやっぱりクレイジーだわwww(ここで両手人差し指を立てて鬼のポーズ)

HT:ちなみにシャドー・オブ・ナイトは?
Joe:あれは撮り直しをしても大体5回くらいまでだったかな。ほら、レイドがどれくらい大変だったかよく分かるでしょ!確かマッド・ドッグとジャカのアクションシーンは撮影に1週間くらいかかったかな。ひたすら撮り直しするからさwwwそういえば、レイドのギャレス・エヴァンス監督は奥さんがインドネシアと日本のハーフで、奥さんのお母さんがまだ日本に住んでるはずだから結構日本に来てるみたいだよ!彼すごく日本好きだしね。

HT:柔道家から一転、俳優になろうと思ったきっかけは?
Joe:家庭として子供にスポーツマンを目指してほしそうだったのと、父親と先に柔道選手になった兄の影響で僕も柔道家になった。毎日柔道の練習を永遠に繰り返してたよ。でも小さい頃からずっと映画を見ることが好きで、その場の流れで始めた柔道とは別に自分がやってみたいと思える職業が俳優だった。そこから、怪我をきっかけに柔道家をやめて、小さい頃から抱いてた夢を目指したら俳優になれて、ありがたいことに今こうして俳優として仕事できてる。じゃあ柔道はあんまりなのかって言うと全然そんなことないし、むしろ柔道を経験した後に俳優業ができてること、これは全部運命だったんだと思う。だから柔道と俳優、どっちの時間も仕事も僕にとっては欠かせないものだよ。

HT:シャドー・オブ・ナイトでのサニーさんとの共演が楽しみです!
Joe:サニー好きなの?

HT:ヘッドショットを見て好きになりました!
Joe:えっ、ヘッドショットのあのキャラで?(敵ボスですごい悪いやつだったよね?的な雰囲気)

HT:そうなんです、悪いキャラだったけどとても素敵で…。
Joe:彼はとてもいい俳優だよ!あ、それじゃあサニーにビデオ送ろうか!はい撮るよ〜!(ここからグダグダ撮影タイム)

これは当時の私が残したレポイラスト。

HT:シャドー・オブ・ナイト、作品自体もとても楽しみです!
Joe:あれは僕が初めてメインキャラを演じた映画だから思い出深いよ!レイドでは主役じゃないし、ワイルド・スピードもスタートレックも違う。剣客はメインだけど敵のボスだったから。シャドー・オブ・ナイトが初めての主役でヒーロー役だったんだよ。

HT:韓国映画の剣客の撮影はどうでしたか?
Joe:この作品では剣道を事前に練習して撮影に挑んだんだけど、もしかすると日本映画で見れる刀を使ったアクションに似てるんじゃないかな?

HT:(韓国映画の話題に)私はグッド・バッド・ウィアードっていう映画が好きで…。イ・ビョンホン、ソン・ガンホ、チョン・ウソンが出てますね。
Joe:見たことない…え?ソン・ガンホ!?ちょっと調べるね…。

HT:ウィアードがガンホさんですね。ジョーさんがガンホさん好きなの知ってましたwww
Joe:ふふwwwあーこれかー!やっぱ見たことないなあ…見てみようかな。

HT:ジョーさんの歌声が好きで、インスタストーリーでよく歌ってるRANの“Dekat di Hati”を私も少し歌えるようになりました。今後CDを出したりする予定はありますか?
Joe:歌うのと楽器弾くのはただの趣味だから、CD出したりはしないかな。仕事とは別の好きなことって感じ。俳優が1番仕事としてやりたかったことだから、歌手になりたいわけじゃないんだよね。とはいえ、BCLとデュエットした曲リリースされてるけどwwwでもあれだけだね。やっぱり仕事だけだと面白くないし、色々なことから刺激を受けたいし、たまには仕事と関係のない好きなことをやってリラックスもしたいから。だから歌ったりしてるんだよ。そうだ、Dekat di Hatiの歌ってどういう意味か知ってる?あれは遠距離恋愛の歌なんだよ。

HT:東京には今までに来たことはありましたか?
Joe:東京は柔道の関係で結構来たことあるんだよ。色んな学校に柔道の練習のために行ってたからね。そうそう、柔道家はみんな耳の形がちょっと変わるんだけど、僕は変わってないの!ほらこれ、変わってない!結構レアなんだよ!

HT:La tahzanでは日本語を話していますが、練習期間はどのくらいありましたか?
Joe:日本語特訓は2週間くらいだったかな。僕の日本語は全然だよ〜。La tahzanはインドネシアでもDVDが出てないから、見るとしたらネットにあるかどうか…。

HT:私はちょっとだけインドネシア語勉強してます!
Joe:お、いいね!ちなみにインドネシア語は英語みたいにイントネーションが変わったからって意味が変わったりはしないんだよ。基本は全部同じトーンで言い切る感じかな。Terima kasih→ Terima kasih⤴︎ Terima kasih⤵︎これ全部同じ意味だよ。

HT:日本のジョーさんファンに何かメッセージはありますか?
Joe:そうだね、じゃあみんなにありがとうって伝えておいて!


そういえば、ケーキおいしかったよ!ありがとう!って伝えたら日本語で「どういたしまして!」って言ってくれました。ジョーさんは仏かなんかですか。

ジョーさんの方が腕長いから自撮りお願いしていいですか…!って頼んだら、快くOKしてくれて、真面目に撮ってる最中に「Funny face!」って無茶振りしたら連写して変顔までしてくれました。やはり仏です。

後編はこの半年後にまた日本で再開を果たした時の話。

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