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一番格好いい自己紹介とルーツについて

初めての投稿ということで自己紹介をしようと思う。
ところで、僕がこれまでに見た自己紹介の中で一番格好いいと感じたのは、福本伸行の漫画『銀と金』に出てくるものだ。

「名前は森田鉄雄──背景はない……!」

日本有数のボンボンたちに賭金の多寡を競う青天井のポーカーで勝利し、「どこの企業の息子か」と聞かれたときの答え。
憧れると同時に、なかなかこうは答えられないなとも思う。
『銀と金』の森田鉄雄は、まさに彼が言うように、物語内では、彼自身の背景はほとんどと言っていいほど描かれない。それゆえに捨て身で怖いものなしな行動を取り、尋常ではない成功を掴んだりする。

一方、たとえば僕自身は大した系譜を持っているわけではないし、生まれや育ちもいたって平凡に近いものだった。これまでの人生で、「変わった経験をしたかもしれない」と思ったことでさえ、インターネットを見れば、すでに大勢が歩んだ道だということがすぐに分かる。
それでも、そんな凡庸な人生でも、なかなか自分のルーツを手放して自由になれはしない。
愛郷心は弱いほうだけれども、自己紹介の場ではさすがに出身地を言ってしまうし、これまでの経験については短くまとめて語ってしまう。

ずっとそんな自分を取るに足らない存在だと思っていたけれど、最近、『ロマンシング サガ3』をプレイし直して、少し考えが変わった。
8人いる主人公たちを選ぶ最初の選択画面。それぞれのルーツが一文で紹介されているのだけれど、王族や貴族に混じって一番格好良かったのは<シノンの開拓民>だった。格好いい。シノンの開拓民。
僕の場合でいうと、東京在住の、<四国からの移住民>だろうか。
割と悪くないような気がする。

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