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アングラーズの「Mission/Vision/Value」

今まで創業期の話などをする中で、我々のイズムについてnoteの処々に書いてきましたが、最近アングラーズの理念について聞かれる場面も増えてきたので、こちらに改めて纏めたいと思います。

アングラーズがどのような上位概念を掲げて進んでいるのか。よろしければご覧ください。

1. ミッション

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釣りで人生を豊かにする

「一生幸福でいたかったら、釣りを覚えなさい。」という言葉があり、人々のあらゆる趣味の中で、一番最後に残る最高の趣味が釣りだと言われています。

釣り人のような情熱的な人たちが増えるほど、世界の幸福度も増していくと信じています。アングラーズは、釣りをより熱中できる環境、そしてその熱量が伝播する環境を実現します。

2. ビジョン

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釣り人から最も必要とされる企業になる

釣り人から最も必要とされる企業とは、上記のミッションを成し得ている企業です。

世界中の釣り人が心豊かに過ごし、ワクワクした人生を送る世界。その世界の「中心に自社」が必要不可欠として存在していること。感謝される営みをし続けていること。アングラーズは、釣り人に最も貢献する企業になります。

3. バリュー

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スピードは品質を生む
誠実でありつづける
釣り人の課題を捉える

 スピードは品質を生む

多少不細工であったとしても、MVP(仮説を検証できる最小構成単位の検証手段)でリリースして検証したほうが、検証結果を早く得られます。

検証の前段階では、どのように品質を高めるのが正解なのか、わからない時があります(前段階では品質が良いと思ったことが、ユーザの求める「品質の良さ」ではないことが多々あるし、そもそも方向性も違うかもしれない)。

故に素早く検証したほうが、早くファクトを得られ、高品質に辿り着けます。

一方、これは「目先の短期的に儲かる(儲かりそうな)ものばかりやっていこう」という意味では決してありません。事業創造は短期戦ではなく長期戦であり、市場に真の価値を創り上げるためには、長期的に重要なことへ挑戦する必要があります。それが本来やるべき営みであり、前提条件となります。

長期的かつ大きなissueは、因数分解することができます。大きな山も小さな山にすることにより、実現可能性の高いサイズになり、実装や検証スピードが上がります。

また、スタートアップはタイミングがすべてです。

挑戦する市場の「実現可能な技術」「経済的な推進力」「文化的な受容」が揃ったときがベストタイミングですが、これら3つの前提条件をコントロールすることは通常できません。

チャンスを逃さないためには、創造者が「その時だ」と思ったタイミングで素早く仮説検証してやり切ることが大切です。重要なのはスピードです。

前段階の支度と、実行可能なissueサイズへの分解。市場へ素早く検証するための、最小構成単位の検証手段に整えること。この仮説検証の速度で、スタートアップの成否が決まるといっても過言ではありません。

故にアングラーズは、スピードを優先した意思決定を「正」とします。

 誠実でありつづける

アングラーズは、「誠実」を大事な行動指針としています。

以前、投資をしてくださった方から

しっかりチャレンジして、正しくやった結果、失敗するのは全然構わないから。

という言葉を頂きました。ここでいう「正しくやる」とは、「誠実な営みをし続けること」です。誠実に向き合い挑戦した結果、仮に上手くいかなかったとしても大丈夫、気にしなくても良いから。というメッセージです。

事業創造は不確実なことばかりなので、組織一丸で高い志を掲げて手堅く挑んだとしても、企業が存続できなくなることはあります。もちろん解散は避けるべきことですが、仮にもしそうなったとしても落ち込む必要はありません。

誠実に挑んでいれば、必ず次に繋がります。再挑戦することもできます。

一方、正しくやらない場合。詐欺、事件、横領、違法売買、支援しくれた人や取引先や仲間を不当に裏切るような、不誠実な行為をした場合は取り返しがつきません。絶対やってはいけない行為です。これをやってしまうと、再起不能になります。社会的に排除され、周りの人たちからも見捨てられます。

とくにスタートアップ界隈では、「人」に投資をしています

この人にお金を預けて、もし失敗しても良いと思えるかどうか。どんな結果になったとしても、納得できるか。その信頼を得た企業は、投資を得られます。それを裏切る行為は絶対やってはいけません。不誠実さは、全てを狂わせます。

万が一儲けることだけを考え、ただ単にハックすることに囚われてしまい、本質を見失った場合。不誠実な営みで道を踏み外してしまった場合は、お金以上に大きなものを失います。

ビジネスをやっていると、不誠実な行動が短期的な利益に繋がることがあります。しかし、それは長期的な利益には成り得ず、マイナスに働きます。

ただ到達するだけではなく、どのようにしてそこに辿り着くべきなのか。大事なプロセスは何なのか。何が本当の目的なのかを日々自問すること。自由であるからこそ、自分を律することが大切です。

また、「自分の仕事を、家族に自信を持って伝えられるかどうか」は重要です。

もし少しでも後ろめたい、良心が咎めることがあると、身内に自信を持って話すことができません。私は、家族に自信を持って仕事のことが伝えられないのは嫌です。そんな仕事はしたくありません。仮にもしそんな状況が生まれるとしたら、やはりそれは、何か誠実に欠ける行為をしているからだと思います。

メンバー全員が、自分の身内に対して自信を持って、胸を張ってアングラーズの仕事について話して欲しいと思っています。アングラーズの仕事に誇りを持って欲しい。業務において不誠実が無い形にする為にも、「誠実であり続ける」をバリューに掲げています。

いつも気持ちよく仕事をするためにも、

しっかりチャレンジして、正しくやる。

この言葉を忘れずに邁進します。

 釣り人の課題を捉える

アングラーズは、釣り人の本質的な課題を捉えます。

最高のUX創出の8割は、正確な課題定義です。いくら解決策を出せる人でも、そもそもの課題定義がズレていたら成果は出ません。圧倒的なUXをつくるために、アングラーズは釣り人のことを徹底的に理解します。

事業の優先順位は、ユーザの「欲しい」を叶えることです。欲しいを叶えるとは、「欲しい」とただ言ってるものを作ることではなく、「本能的な欲求(本質的な課題)」を満たすための創造です。

ユーザの声は大切です。とくにUX後に頂けるFBは、改善の宝庫です。全体の傾向から読み取れることがあったり、何か重要な真実が隠れていることがあったり、エバンジェリストユーザの核心を突いた内容が埋もれていることもあります。

一方、ユーザは答えを知りません

過去多くの企業では、ユーザの意見(声)を鵜呑みにして実装したのに、「全然使ってくれなかった」「買ってくれなかった」という事象が度々起こっています。それはなぜかというと、

「ユーザが欲しいと思ったもの」と、「実際に必要なもの(使うもの)」は、必ずしもイコールではない。

という問題です。

ユーザは自分自身が本当に欲しいものを、完璧に想像できるものではありません。それどころか、全くの的外れの場合も度々あります。自分のことですが分からないのです。

事前に想像していたときの「自分の気持ち」と、実際にそうなったときの「自分の気持ち」が異なることはよくあります。

故に「ユーザが欲しいと言ったものを作っても使わない」。これが起こる前提で創造者側は考える必要があるので、本当にユーザのことを考えるなら「決して御用聞きにはならない」ことです。ユーザが発した内容を丸受けせず、その中から本質を見極める必要があります。

以前、孫泰蔵さんが運営されていたMOVIDA JAPANのアカデミーに行っていた際に、LINEの舛田さんが「既読」機能についてお話しされていたことがありました。

今でこそコミュニケーションサービスに当たり前に存在する、相手が自分のメッセージを見たかどうかが分かる「既読」マークの表示ですが、10年前はまだどこもやっていませんでした。その結果、

- 自分が見たかどうか知られるのは嫌だ
- 既読を無くして欲しい

など、既読に関してのお問い合わせが当時多く来たそうです。

送信側にとってはメリットになるけど(見てくれたかを知りたい)、受信側にとってはデメリットになる(見たことを知られたくない)という状況です。

しかし元々この機能は、震災時の課題がきっかけで生まれていました。生存しているかどうかを知るために、返信の一歩手前、メッセージを見てくれたかどうかの確認ができるのは、大きな意味がある。

という送る側の課題から、既読は誕生したものになります。

だからユーザからクレームが来ても、本質的なissueに焦点を合わせて外さなかったそうです。結果、時間と共にそれが受け入れられ、世の中でも当たり前に見られる機能となりました。

このように、

一方にはメリットになるけど
一方にはデメリットになる

という事象の場合。

もし実装すると、プロダクト内で相反する価値観が同等に存在してしまう場合、もちろん度合いにもよりますが、メリットを優先したほうが吉となることが多いです。

アングラーズのプロダクトでも、「投稿側のデメリット(自分が釣った場所を知られたくない)」と「閲覧側のメリット(他の人が釣った場所を知りたい)」が存在する釣果公開を当初していませんでしたが、閲覧側の利益を優先し、公開機能を加えました(※場所を明確に特定されることは避け、ある程度の抽象度に範囲設定するなどの対策をした上ではありますが)。

今までアングラーズでは、色々なお問い合わせを頂き、今後も今まで以上にユーザからご意見を頂くと思います。それを全て鵜呑みにするだけの御用聞きになるのではなく、釣り人の皆さまが発する言葉の裏にある、言語化できない本当の欲求、課題の構造を我々は理解する必要があります

そうすることにより、ユーザから真に必要とされるプロダクトを実現できると考えます。

エモーショナルな部分の大切さ

- どうすれば喜んでくれるのか
- 価値を提供できるのか
- 次も使ってみたいと思われるにはどうすれば良いのか

今までひたすら仮説検証をしてきましたが、その中でとくに我々が意識しているのは、ユーザのエモーショナルの部分です。

釣りに行き、お目当ての魚が釣れるとやっぱり嬉しく、それは釣り人生の忘れられない1シーンとなります。釣り人同士の集まりを見ていただくとわかりますが、釣り人はずっと釣りの話をしても飽きることはありません。

「あの時の釣りがこうだった〜」と、今までの釣り話でどんどん熱量が上がっていきます。釣りバカ日誌のハマちゃんとスーさんみたいな感じです。だから最近よく思うのが、我々はその思い出を詰める「宝箱」をつくっているのだと思います。

いつ・どこで・どんな魚が釣れたのか。それを一人のときでも、皆んなといるときでも、いつでもどこでもすぐに見られるもの。自分の釣り人生を思い返せるアルバムをつくっています。

その釣り人のエモーショナルな部分を大切にし、釣り人の人生を充実させるプロダクトがANGLERSです。我々は、釣り人生がもっともっと彩り豊かになるための仮説を上げていき、ひたすら検証します。

またその際の仮説検証については、極めてシンプルなプロセスで考えます。

① ユーザの課題をすべて出す(課題発見)
② 課題に優先順位をつける(重要度合)
③ 重要度高の課題を深掘りする(課題深堀)
④ 本質的な課題を特定する(インサイト)
⑤ 最適な解決手段を策定し検証する(UX策定)

企業は、何らかの特定の社会課題解決をする、市場の強力なエンジンです。アングラーズの場合は、「釣り」の課題解決をしています。それを持続するためには利益を生み出し、その利益を次の営みに投資し続けるサスティナブルな循環が必要です。

だからこそ、ユーザの「本質的な課題」を解決することが大切です。これをシンプルにやり切ることにより、事業は成長します。


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