エンジニアのためのプレゼン術

はじめに

エンジニアといえば会社にこもって黙々と作業をするイメージですが、実際には様々な理由で「プレゼン(発表)」を行う機会があります。

  • 作成した仕様書の内容をチームメンバーに説明する。

  • 作成した製品の機能を営業に説明する。

  • 客先に出向き製品紹介を行う。

  • 作業進捗を上司に報告する。

  • 部下に任せる作業の説明を行う。

  • 勉強会で講師役を務める。

  • 顧客とミーティングを行う。

  • etc.

このように意外とプレゼンの機会は多いのですが、残念なことにエンジニアはプレゼン技術が低い人が多いです。私もその一人なのですが、そんな私から見てもプレゼンが上手くないなと感じる人がいます。そういった例を参考に、どういうふうにプレゼンすると良くなるかをいくつかまとめていきます。

プレゼン技術

伝えるべきことを伝える

エンジニアのプレゼンにおいて最も大事なこと、それは伝えるべきことが相手に伝わるかどうかです。営業や経営陣であればまた違うのかもしれませんが、エンジニアの場合はそれさえできればプレゼン成功、できなければ失敗、くらいに重要なことです。

プレゼン技術について説明した本やサイトでは、やれ図やグラフを用いてわかりやすくしろとか、やれ動きをつけて目を引くようにしろとか、やれ色分けを上手に利用しろとか書いていますが、そんなのはすべて小手先の技術です。真に重要なのは伝えるべきことが相手に伝わるかどうかであり(大事なことなので2回言いました)、これら小手先の技術はそれを実現するための手段でしかありません。

プレゼンが苦手という人は、まずはこの点だけ意識するようにしましょう。なんとかして相手に伝えようとしていればその意志は相手にも伝わり、相手もなんとかして聞き出そうとしてくれます。
この意識は特に外国のエンジニアにプレゼンするときに有効です。どれだけ拙い英語でも、ただひたすら単語を羅列するだけでも、同じ分野のエンジニアであればきっと通じるものがあります。そして伝えるべきことが伝われば、そのプレゼンは十分に成功と言えます。

名詞・動詞などを強調する

プレゼンの中で「が」とか「に」とかの助詞を強調する人は結構います。文字で表すと以下のような感じ。

…………は……………………の…………………で実装されます。

肝心な部分の声が小さくて聞き取りづらく、あまり本質的でないところにアクセントが置かれ、結果上のような伝わりづらい発言になります。
アクセントは名詞や動詞などの伝えたい部分に置くようにしましょう。逆に助詞などは無くてもなんとかなります。

本機能…3月リリース…………………………実装……………。

これだとなんとなく言いたいことが伝わるでしょう。
ちなみに本来の文章は以下のイメージ。

本機能は3月リリースのバージョンで実装されます。

要点を先に伝える

エンジニアに限らず、やたらと喋る人が世の中には結構います。まるで頭に浮かんだ文章をすべて言葉にしなければ死んでしまうのではないかというくらい喋ります。

とりとめのない雑談であればそれでも構わないのですが、エンジニアがプレゼンするケースでは時間が限られていることが多いです。なのでまずは要点だけを先に伝えるようにしましょう。特に技術的な打ち合わせであれば要点を伝えるだけで話が通じることが結構あります。それ以外については、相手が質問してきたときや、相手に伝わってないなと感じたときに、改めて補足していく形で十分です。

ゆっくり喋る

上の話にも関連しますが、喋りたいことが多いのに時間が限られているとき、早口で喋って無理やり時間内に喋り切ろうとする人がいます。ですがそれをされると、聞く側からすると「あれ、今のどういうこと?」と疑問に思った一瞬のうちに次々と話が進んでいき、そのせいで更に話についていけなくなるといったことが起こり得ます。

プレゼンをするときは喋るスピードを抑え、時々1秒くらいの間を置くようにしましょう。間を置くことで、聞く側はプレゼンの内容を咀嚼したり質問したりする事ができるようになり、喋る側はちゃんと伝わっているかどうか相手の表情を確認する事ができるようになります。

「読む」のではなく「喋る」

プレゼンの場で仕様書や資料に書いてある文章をそのまま読み上げる、というのはついついやってしまいがちですが、これは時間の無駄になることが多いです。プレゼン資料は多くの場合聞く人たちに配布されるので、必要に応じて事前・事後に読んでもらえば良い話です。

プレゼンの際は資料の内容を要約して説明するようにしましょう。慣れないうちは要約した原稿を別途準備しておくのも良いでしょう。ただ、あらかじめ原稿を準備すると原稿を読むことが目的になってしまって、途中で質問を受けたりして予定が狂ったときにうまくプレゼンできなくなることがあるので注意が必要です。慣れてきたら少しずつ原稿の量を減らし、その場で要約しながら臨機応変に説明できるようにしていきましょう。

おわりに

今回挙げた技術は、意識すれば比較的簡単に実行できるものがほとんどだと思います。より良いプレゼンを行うのにこの記事が少しでも参考になれば幸いです。

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