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6周年を迎えて


10月最後の日曜日、晴れ。
今日もお客様に恵まれますようにと願いながら、大きく入口の戸を開いて朝の冷たい空気を店に通す。
次々に今日のメンバーも出勤、いつも通り朝の丁寧な掃除を済ませて、朝礼。

「今日も一日よろしくお願いします。」

台所はご飯の釜からもうもうと湯気があがり、お出汁のいい香りが漂い、野菜を切る音、擦り鉢で長いもを擂る音、道具を洗う音、たくさんの音に包まれる。多くの言葉を交わさなくても、あうんの呼吸で作業が流れる。

「そういえば、今日くらを、誕生日だよ。」

誰かが言う。
それまで黙々と作業をしていたみんなが「あっという間だね」とか「あの日もいい天気だったね」とか、作業の手は止めず誰に聞かせるわけでもなくそれぞれが思いを口にする。
台所は今朝も順調にお客様を迎える支度が進む。

毎年この季節は紅葉狩りのお客様がたくさん増田にも足を運んでくださるし、常連のお客様がお友達やご実家のご両親を連れて来てくださったり、なかなかお会いできなかったご夫婦がパパとママになって可愛い娘ちゃんを連れて来てくださったり、友人から美味しいと聞いたからと、初めて食事を食べに来たというお客様にも数組お越しいただいた。

おかげさまで今日も一日元気に走り回ってしゃべりまくって、今、のれんを閉まい、ホッと一息、noteを書いている。


今日もいつもと変わらず優しくて最高のお料理を作ってくれるスタッフと、いつもと変わらず笑顔のお客様と共に過ごし、いつもと変わらず幸せな一日だった。

そして、思う。
変わらないことは、簡単のようにみえて、とても難しいこと。
だけども「進化」は恐れず、新たなことにもチャレンジする心も忘れない。竹のようにしなやかに、いろんなくらををお見せしたいし、もっと皆様に喜んでいただける店になりたい。


もっと皆様に喜んでいただける店になりたい。



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