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そこに愛はあるのか~愛とプライド~


なんだか古い月9の名ゼリフみたいになってしまったが、連日炎天下の中で早朝から日が落ちるまで(本当に時間を惜しんでギリギリまで)頑張っている現場の皆さんを見ていると、本当に愛しかないなあ、と、ありがたい気持ちでいっぱいになる。

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文化財の改修工事。
建物の痕跡をたどり、「とある時代」をめがけて忠実に復元していくことと、この先もこの建物が健康な状態で守られてゆくことの二つの意味がある。

設計図に細かく指示のあるもの、現場で確認しながら決断するもの。今の時代ならほかのもので簡略的に代用できることでも、あえてそうはしないのがこの工事。
頭と身体を酷使する、よく言えばやりがいがあり、正直に言うと大変しかない工事なのだろうと、素人が下から眺めていても強烈に思う。


土の壁も触ると簡単に崩れるほどひどい。灯り取りの高い窓の枠がどうしようもないほどボロボロ。

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屋根の張替えも、見極め。

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左官の職人さん。細かいところまで丁寧に。この日の最高気温は37度。

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もはや何をなおしてくれているのかわからないくらい、狭い奥のほう。

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わたしは、まるで野球部のマネージャーにでもなった気持ちで、私にできることを探すのだけれど、せいぜい製氷機をフル回転させて氷を切らさないようにすることと、塩分補給用に漬け物を仕込んでおくことと、たまにスイカを切ることぐらい。あとは、怪我しないでね、暑さに負けないでね、と祈ることくらい…。

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大工さんには大工さんの、左官屋さんには左官屋さんの、建具屋さんには建具屋さんの、板金屋さんには板金屋さんの、塗装屋さんには塗装屋さんの、愛と、プライド。

この建物が建てられた270年前からずっと続いてきたこと。その時々の工事に関わった職人さんの、愛とプライドが、この建物になっている。
長い長い歴史の、これからも長く長く続くための、まだまだ通過点。


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