数年前、吉本興業様からスポーツイベントの仕事をいただいた。

大田区体育館で大田区の近所の子供たちと吉本芸人が一緒にスポーツを通じて体を動かす楽しさを知ろう！というイベントだった。

朝から昼過ぎまで色んなレクリエーションがあった中で事件は全員参加の「だるまさんがころんだ」で起こった。

体育館の一端に並んだ子供たちが
"だ〜るまさんが〜ころんだ！"
の掛け声で一斉にゴール地点に向かってくる。

動いたかどうかは周りにいる芸人が審判になってジャッジする。

頑張って早くゴールに着いたら順番で吉本グッズをあげるよ〜でもグッズには限りがあるよ〜、に煽られて掛け声に合わせて必死で走ってきて、必死で止まりながらゴールに向かってくる子供たち。

あー、なんて純粋なのだろう！！
では全然なかった。

子供たちはめちゃめちゃズルをする。

ダメーって言ってんのに知らんぷりしたり、隠れたり、一回退場したのに横入りしてきたり、ダメーって言われないように上目遣いを使う子供もいる。

ジャッジしてる側も泣かれたりしたら困るのでついつい見逃したり、気が付かない振りしたり、もうほとんどルール無しだった。

このままだと全員が一斉にゴールなんて事もあり得るぞ、どうなるんだ？

と、その時だった。

ジャッジをしていたガリットチュウ福島くんが体育館の入り口の方を指差して大きな声で、

「あ！ミッキーマウスだ！」
と叫んだのだった。

すると、

ミッキーマウスがいる訳無いのに、子供たちほぼ全員が福島くんが指差す方を見ちゃったのだった。ほぼ全滅だった。

ミッキーがいる訳ないとはわかってるけどまさかワンチャンがあんのか！？
だけど今は動いちゃ行けないし…
いや、自分だけなら、
一瞬ならバレやしないか？
の子供たちによる、総チラ見

あれはもう本当に良いもの見させて貰いました。