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太ももや雑誌を叩かずに練習パッドを叩こう

昭和の頃は自分の太ももを叩いて練習してプロになったドラマーがいました。

太ももが腫れ上がって血が出るまで練習したことを、努力の証のように語っていました。

リバウンドが小さい雑誌や枕などを使って練習することを推奨する人もいます。

リバウンドが小さければ手首を始めとした腕の筋肉が強化されて、速くて強いストロークが身につきそうな気がしますよね。

でも、やめた方がいいです。

太ももを叩いて血が出るまで練習するのはただの変態です。

リバウンドが小さい雑誌や枕での練習は、身体の動かし方を理解していないと手首への負担が大きくなり、深刻な腱鞘炎を引き起こす可能性大です。

いくら負荷をかけても手首は鍛えられませんし、腕に筋肉をつけても動きは速くなりません。

またリバウンドを拾って手のひらでスティックの動きをコントロールすることは、ドラムを叩く上でトップクラスに重要な技術ですが、リバウンドが小さいと、その技術も身につきません。

そして雑誌や枕を叩いていると直ぐにボロボロになって、補修するのが面倒くさいです。

身体の痛みや機材の補修作業にかかる時間は無駄なコストであり練習継続の妨げになりますし、深刻な腱鞘炎になるとドラムを続けることができなくなります。

今は効率的に上手くなるための練習用機材が沢山あります。

今回は練習用パッドについて書いてみたいと思います。


音大の打楽器科で推奨されている練習台

私は一時期、音大打楽器科卒の先生にクラシックスネアを習っていたのですが、その時に買ってくださいと言われた練習用パッド…というか木製の練習台があります。

それがKMKの「小太鼓練習台 KMK-110」です。

小太鼓練習台 KMK-110

その先生曰く、音大の打楽器科で伝統的に使用されている練習台とのことでした。

最近では世界レベルのドラマーである石若駿さんが使っていることでも有名です。

ご本人のTweetが残っていたので参考にご紹介します。

石若さんは東京芸大打楽器科卒なので、芸大在籍時からこの練習台を使っていたのかもしれませんね。

私が使ってみて思ったのは、とにかく音がデカくマンションやアパートでは絶対に使えないということです。

とはいえ石若さんのTweetにもある通りメリットは大きいので、一軒家でご家族が大音量を許してくれるのであれば購入を検討しても良いかもしれません。


売れ筋で手に入りやすい練習パッド

KMK-110はマニアック過ぎて楽器店や通販でも手に入り難く、音も大きいので、万人向けではありません。

ここでは手に入りやすく、マンションやアパートでも使える練習パッドを紹介します。

  1. ZILDJIAN REFLEXX PAD 10

  2. EVANS RealFeel 12

  3. YAMAHA TS12S

ZILDJIAN REFLEXX PAD 10

まずはZILDJIAN REFLEXX PAD 10です。

ZILDJIAN REFLEXX PAD 10

ドラムセットはシンバル、スネア、タムでリバウンドの強さが違うため、練習パッドも色々なものを使った方が、より実践的な練習ができます。

ZILDJIAN REFLEXX PAD 10は表と裏で素材が違い、音質やリバウンドが異なるリバーシブル仕様になっています。

一粒で二度美味しいと言うやつですね。

表面はリバウンドが強く音量が大きめ。裏面はリバウンドが弱く音量が小さめです。

表面の音量もそこまで大きいわけではなく、柔らかい音なのでマンションであれば問題なく使えます。

裏面の音量は非常に小さいのでアパートでも大丈夫だと思います。というか、これで苦情が来るのであれば、何を使っても駄目だと思います。

EVANS RealFeel 12

お次は定番のEVANS RealFeel 12です。

EVANS RealFeel 12

ドラムショップのシライミュージックが、このパッドをスネアドラムの上に置いて練習する方法を紹介してから、使用者が急激に増えた印象があります。

スネアドラムの上に置いて使うと、スナッピーの音が程よく聞こえるため、本物のスネアに近い感覚で練習できるというのがオススメポイントです。

もちろんパッド単体で使っても大丈夫で、打感、リバウンド、音量など非常に使いやすく作られています。

ただし欠点もあり、粘土のような素材なので、何年も使っていると表面が劣化して剥離してきます。

性能が低下するわけではないので、そのまま使っても良いのですが、スティックのチップやパッド周辺が粉っぽくなるので表面が劣化してきたら買い替え時かと思います。

YAMAHA TS12S

最後はYAMAHA TS12Sです。

YAMAHA TS12S

こちらは打面が硬く、始めから三脚が付いて自立するので、練習パッドではなく練習台と言った方がいいかもしれません。

打面が硬いため音量は大きめですが、KMK-110に比べれば全然小さいです。

そして、このパッド最大のオススメポイントはブラシやロッドを使った練習ができることです。

柔らかい素材のパッドではブラシが引っかかって使えませんし、ロッドを使うと先端が尖っているのでパッドを削ってしまいますが、YAMAHA TS12Sなら大丈夫です。


まとめ

練習パッドについて書いてみましたが、いかがだったでしょうか。

自宅練習には練習パッドが欠かせません。

音量、リバウンド、打感などを考慮して、自分にとって最適な練習パッドを選ぶのが良いと思います。

それでは、良きドラムライフを。

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