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ゆりかごから墓場まで、みらいのしあわせ家族計画は効率性重視


2019年になったのに、相変わらず「家族」って、すごく非効率な単位だよなあと思う。

別に自分から選んだわけでもない共同体に放り込まれて、だから当然合う合わないがあって、それでも「家族だから」という理由で一緒にいる。いるべきと思われている。


「選べない」という不幸から、「家族の問題」は起きている。


「家族の問題」は、単に親と仲が悪いとか、兄弟とお金で揉めているとか、それぞれの関係性が焦点になることはもちろん、「結婚」「離婚」「出産」「介護」と家族に纏わることすべてを含む。
特に、「出産」「子育て」「介護」がここまで問題になることって、かつて日本に存在しなかった悩みなんじゃないだろうか。


そこで、だ。


30年後、の、2049年。


楽観的に言えば、日本ではきっとたくさんの便利なモノやシステムや技術ができていて、みんながより好きなことや好きなものに若いうちから注力できる社会になっている中で。


いよいよ少子化が進んでいって、晩婚化も進んで、産みたいけど産めないひと、子育てがうまくいかないひと、介護がつらいひと、仕事や趣味を優先するのか家庭を優先するのか悩むひと、状況は少し違っても、根幹は全く同じところで私たちはぐるぐるぐるぐる堂々巡りするんだろう。


それを解決するために、私はみっつ、あったらいいなと思うものがある。


ひとつは、自分の代わりに産んでくれる出産代理マシンだ。


10〜20代の健康な自分の卵子を凍結して、好きなタイミングで解凍、同じく凍結した相手方の健康な精子と合体、子どもをお腹の中で育てるのと同様に羊水やら栄養素やら運んでおぎゃあ、と赤ちゃんが出てくるまで自動で培養してくれるマシン。

これがあればもう卵子の寿命がどうとか(残念ながら卵子に寿命はある、し、加齢に伴ってあらゆるリスクは高くなる※)出産のために一年近くも休んだり(健康上、出産前後で数ヶ月は休まないといけない※)とか、ああ子ども産むためにリミットがあるしとりあえず良くわからないこいつと結婚しておくか(そしてこんなはずじゃなかった!)、ということもない。

楽しい20代、頑張り時の30代を、そろそろ生殖器の寿命的に産まないといけないかな、と心配せずに済むのです。合わない相手と妥協して無理やり結婚、ということもないのです。これは革命的!


ふたつめは、子育てAIアドバイザー。


昔は祖父母や親や地域の皆さんが子育てのアドバイザーだったけど、悲しいかな現代はそんなやさしいコミュニティに属さない人が多い。どころか、そのコミュニティが嫌でわざと離れるひともいる。自分で選んだわけではないコミュニティで、的外れなアドバイスを受けながら、嫌な思いをしている人は、絶対、一定数いる。もっと適度な距離感で、しかし的確なアドバイスをしてくれる存在がいてもいいんじゃないかな。
大まかにざっくり子どもの特性を分けて、そこから社会的に成功している子や人柄がきちんとしている子(何を以て、という基準の話は置いておいて)幼少期の教育水準をフラットにしてくれるAIが必要なんじゃないだろうか。
親の年収と子どもの学歴は比例する※らしいけれど、子どもは生まれる家庭を選べない。人並みの教育を受けられない子どもはもちろん不幸だし、その教育を提供できないと悩む親も不幸だろう。であれば、せめて教育の機会ぐらいはフラットにしてあげないと、しんどいんじゃないだろうか。子どもも、親も。


さいごのみっつめは、安楽死薬。


死に方くらい、自分で選んだっていいと思う。自分が自分であるうちに死にたいのに、延命治療をされてまで、無理やり生きたいという人は多くないだろう。チューブに繋がれて、会話もできなくて、死にたくても死ねない、生きててほしいのに生きていない存在、安楽死以上に不自然な状態に、自分だったらなりたくない。
すでにスイスでは安楽死制度なるものがあり(もちろん、安楽死の施術を行うにあたり、年齢や病気の進行度合いをチェックする等、規定はある)、ちゃっかり安楽死ツーリズムなんて商業化もされているらしい。ちなみに200万円程度でできるそうだ※。日本も医療大国なんだからこの波に乗ればいいのに。だめか。


上に挙げた方法を聞いて、激しい嫌悪感を抱く人もいると思う。それはそれで大切な価値観で、倫理的に持っていなきゃいけない感覚だと思うし、提案しておいて何だけど、現代の大多数は選ばない道だと思う。

だけど、価値観なんてものは時と場所によって移り変わるもので。

別にこの手段を「選ばなきゃいけない」わけじゃなくて、こういう手段も「選べる」、という状況が大事なのだ。

昔に比べれば、私たちは「選んでいいこと」がかなり増えてきた。
仕事も、結婚も、子どもも、住む場所も、食べるものも、何もかも、今や選択肢は無限大で、やろうと思えば大抵のことは何でもやれる未来を手に入れた。


「しあわせ」というのは、「自分がやりたいと思ったときに、その道を選ぶことができる力と環境があること」と、聞いたことがある。


もっと、選択肢が増えて、それが認められて、みんなが生きやすい世の中になったらいいなと思う。


多くを選べる未来は大変だけど、何も選べないよりもずっとしあわせだから。



※【医師監修】「高齢出産とは」どんなリスクがある?ダウン症や障害になりやすい?https://www.babys-room.net/1530.html
※産休(産前休暇・産後休暇)の決まりごとhttps://www.roudou.net/ki_sanikukaigo.htm
※所得と学力は比例する!低所得の親が子供の学力向上のためにやるべき5つのことhttps://www.money-sense.club/child-8/
※第211回 【橘玲氏 特別寄稿】日本人の7割以上が安楽死に賛成しているのに、法律で認められない理由とは?https://www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no211/


#30年後あったらいいな

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