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【1年悩んでKANADEMONOの電動昇降デスクを買うまで】 〜購入体験からカスタマージャーニーを振り返る no.1〜

はじめに

カスタマージャーニー」とは、顧客が商品を認知してから購入に至るまでの道筋のことです。
私が普段携わっているPUSH・メール等の施策立案においては、理想のカスタマージャーニーに基づき、顧客の段階に合わせたコンテンツを作成しています。

具体的には、商品の購入をゴール(KGI)としたとき、どんな人物像(ペルソナ)がターゲットで、商品の認知から購入に至るまで、どんなステップ(KPI)があり、そのステップを越えるためにどんな悩みや迷いがあるのか‥と検討します。その悩みや迷いを乗り越える(=パーセプションチェンジ※を起こす ※物事の認識の仕方の変化)ために必要な内容を、メールやPUSHを使用して送る、といったイメージです。(ex.商品は気に入ったが高いから購入を迷う人に、期間限定クーポンを訴求したり。)

しかし配信者目線で理想のジャーニーを描いていると、顧客の深い悩みに到達できず、刺さる言葉を言えていないのでは、と感じることも多いです。

そこで、顧客心理により近づくべく、自身の購入商品に基づいてリアルなカスタマージャーニーを描いてみようと思いました。

今回は、直近の購入した商品の中でも、我ながら壮大なカスタマージャーニーを辿ったと感じている、「KANADEMONO」の電動昇降式デスクについて振り返りたいと思います。購入まで一年かかりましたが、実際に使用してみて買って良かった(おすすめしたい!)と感じています。

KANADEMONOとは

「KANADEMONO」は株式会社bydesignが運営するD2Cのインテリアブランドです。質やデザイン性が高いのに手が届きやすい価格が特徴で、インテリアに関心の高い20代後半から30代くらいまでの世代をメインターゲットとしていそうです。私が購入した電動昇降式デスクはこちらです。(11月に購入したときは75,000円だったのですが、118,000円になっていて衝撃)

カスタマージャーニーを辿ってみる

購入の経緯を振り返る前に、ペルソナを共有すべく、少し自己紹介をします。私は28歳会社員です。IT系の会社で働いており、3年近く在宅ワークをしています。実家暮らしですが、インテリアが好きなので、自分の部屋の壁の塗り替えや電気の付け替えなどをしながら自分好みに改良しています。理想は、オフィスとしての機能性と好みのデザインを両立した部屋です。シンプルだけど個性もある、白系、ナチュラル系のインテリアが好みです。休みの日は運動したり、仕事したり、勉強したり、友達と遊んだり‥といったところです。

それでは、こうしたペルソナを踏まえ、商品の認知から購入に至るまで、どんなパーセプションチェンジが起きていたのか、「①課題の発見」「②解決策の検討」「③商品の認知、比較検討」「④本格的に購入検討」「⑤購入」という各段階に沿って振り返りたいと思います。
また、そのとき企業側からあったアプローチも振り返りたいと思います。

0.ブランド認知
電動デスクがきっかけでKANADEMONOを知ったわけではないので前談を‥。正直、ブランドを認知したきっかけはやや特殊です。転職活動中に色々な企業を見ているなかで知りました。(実際はインスタなどで知る人が多いのかと…)。知ったときは、質感・デザイン・コストすべてがちょうどいい、まさに求めていたブランド!と感じたのを覚えています。電動デスクの前に同ブランドのプフを購入しています。

1.課題の発見
かれこれ3年くらい在宅ワークを続けています。座りっぱなしで腰や背中が痛い、ストレートネック・反り腰になってしまっている、という悩みを慢性的に抱えていました。1年前に転職したことをきっかけに金銭的・時間的余裕ができ、この問題の解決に積極的に取り掛かりたいと思いました。

2.解決策の検討
まず、整体に通いましたが、効果はその場限りで根本解決にはなっていないと感じたため、運動を始めることに。これまでもyoutubeでの宅トレなどを試みてきましたが、習慣化に至らなかったことからパーソナルトレーニングに通うことにしました。しかし、週1で月2.5万という金額に見合った効果は感じられず、3ヶ月で退会します。
その後、ヨガ教室に通ったり、テニスやマラソンを始めるも、運動時間に対して座っている時間が長すぎて、結局腰痛は改善しませんでした。

業務外で運動時間を確保するよりまず、業務時間の習慣を変えたいと思うようになり、やっと電動式昇降デスクが選択肢に浮上してきます。
昇降式デスク、前から気にはなっていたのですが、
・本当に腰痛が治るのか確信が持てない
・購入しないと試すことができないが、価格が高い
という理由から他の選択肢より優先度が低く、他の選択肢を試し切って(ダメで)やっと検討するに至りました。

3.商品の認知、比較検討
KANADEMONOには電動昇降式デスクがある、ということは知っていたので、真っ先に候補に上がりました。
安くない買い物なので、実際に見にいきたいと思い、ショールーム予約を試みるも、予約が取れませんでした。そこで一旦検討がめんどくさくなり、しばらく離脱します。
プフを購入した際、思っていた触感と少し違ったと感じたことから、購入前に実物を見たいと思っていました。(プフは8000円くらいだったのでそれなりに満足しています。)

それから数ヶ月して友人に、「flexispotっていう電動デスク使ってるけどいいよ、4万くらいで買えるし。」と言われ、再度電動デスクのことを思い出します。flexispot、知ってはいたものの海外製だから避けていました(Amazonでの購入経験からくる偏見)が、友達が実際使って良いなら信用できます。失敗しても許せる値段だと感じたので、検討を再開します。

しかし比較検討すると、多少高くてもKANADEMONOの天板の質が良い点と、天板サイズが1センチ単位でオーダーできる点が魅力的だと気づきます。念の為、もっと安くて良い商品がないか、山善などのデスクを見るも、サイズやデザインがピンと来ず。やはり買うならKANADEMONOだ、と購入の意思が大体決定しました。この時点でECのカートに投入しています。


1-3の段階で企業側からあったアプローチは、添付のようなディスプレイ広告が出てくるようになったこと。何度か思い出すきっかけになりました。
スクショが残っていないのですがインスタ広告も出てきていました。

メルマガに関しては特にパーソナライズされた内容はなく、新商品とおすすめ商品のお知らせのみが1-2週間に一回のペースで届きます。


4.本格的に購入検討
実際に購入することをリアルに考えたとき、ネックに思ったのは「組み立て」です。天板に穴を開ける作業があること、家の3階まで重い天板を運ぶことが、できるか不安でした。この問題は、親戚が組み立てを手伝ってくれることになりクリアしました。このとき組み立てサービスがある山善などと多少比較し直しました。
次に、家電でもあるので、保証があるか、きちんと動くか。ここでFlexisPotは5年保証だったことを思い出し、多少比較し直しました。KANADEMONOは1年ですが保証であることがわかって、一応納得することに。また、きちんと動くかの不安は、レビューなどを見て、届いた人が組み立てられていることを確認して、多分大丈夫だろうと考えました。(届いてみてわかったのですが、KANADEMONOの電動の部分はFlexisPotのものを使用していました。)

5.購入
諸々の不安を払拭し、買わない理由は無くなりました。
あとは気持ちなので、もうすぐボーナスが出るとか、これから値上がりするかもしれないし、とか色々と自分なりに「今買う理由」をつけて、購入ボタンを押すに至りました。完全にECで75,000円のお買い物、だいぶ勇気がいりました。


4-5の期間に、カート投入に対するリマインド等は特になかったです。
購入完了から2週間後くらいに、追加購入促進のメールが届きました。電動式昇降テーブルの付属品なので、こちらはおそらくパーソナライズされていそうです。


まとめ

以上、認知から購入にいたるカスタマージャーニーを振り返ってみました。
改めて一連の流れを表にまとめてみます。
アプローチ案は、このタイミングでこの訴求が響きそうと感じたものを記載してみました


「購入後」の「他の商品を購入する」はまだ行っていないのですが、次はこれが欲しいな、、と検討中です。
(ちょうど植物引っ掛けるもの探してた、かわいい🌷)

気づいたこと

今回購入者目線でカスタマージャーニーを作ってみて、いくつか気づいたことがありました。

①競合と競う前に、解決方法として選ばれなければいけない
今回電動デスク購入の検討が開始するまでに、整体など別ジャンルのものとの比較があったように、悩みを感じた人はさまざまな解決方法を検討しているはずです。カスタマージャーニーを書くときこのフェーズの人を飛ばしがちですが、こうした段階にいる人にも、「電動デスクそのものの良さ」訴求していくことで顧客に進化させ、ゴールまでの距離を縮めることもできるかもしれないと思いました。

②体験談が強い
ECで高価な買い物を完結するとき、色々な不安がよぎってしまいますが、他の人も買って問題なかったと知ると、意外と気持ちが大きく動くものです。サービスによってはカスタマーサポートや実店舗にコストをあまり割けないこともあると思いますが、動画などわかりやすい媒体で体験談をリアルに伝えることで、コスパ良く不安を払拭できるかもしれない、と思いました。
購入の動線に配置してあると良さそうです。

②決め手があれば、ゴールまでの時間が短くなる
高価な商品本気で悩んでる人は、相当サイト滞在時間長いのではないかと思います。通販は結構体力を使うので、時間ができた時に気合を入れて取り組むことが多いです。今回比較検討〜本格的に購入検討までは2,3日の出来事なので、その間1日に何時間もサイトに滞在していたのではないかと思います。
長時間滞在を熱く購入検討しているサインと捉え、期間限定クーポンを付与する、などは効果的なひと押しになりそうだと思いました。
(ZOZOTOWNなどで、24時間限定のあなただけのクーポン、みたいなのありますよね。あんなイメージです。)

以上、リアルなカスタマージャーニーをつくってみて気づいた感想です。
今後の施策検討に活かして行ければと思います。
読んでくださった方にも何かプラスになりますと幸いです🙏


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