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魁!!武路具(ブログ)高校 我ら軽音楽部! 放課後センチメンタルス!!

※ピンポンパンポーン

この話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。(すべて私、ハチコの妄想です。)


ここは、とある田舎の県内でも有数の、そこそこ普通オブ普通レベルの私立高校、その名は武路具(ブログ)高校。

普通科にも関わらず、選択の授業に「武路具(ブログ)」がある。

ゆーちゅーぶぅや、いんすたぁも選べるのだけど、私は「武路具(ブログ)」を選択した。

ゆーちゅーぶぅを選択した生徒たちの中には、ウェーイウェーイ言ってるパリピの集団がいる。

そのノリには全くついていけそうになく、私は心底「武路具」選択してよかったと思っている。

「武路具」を選択した生徒たちの多くは、文章が友達!というタイプであり、社交的なタイプはあまりいない。

目の前にいる相手とSNSを通じてコミュニケーションを取るのが得意であり、はたからみたら異様な光景である。

武路具の授業は多岐に渡り、古代ブログ王国の起源から、伝説のブロガーであり本校の校長、武 路具(ブ ログ)先生のありがたいお話、アフェリ8の基本、SNS運用のイロハなど、さまざまなことを教えてくれる。

古代ブログ王国はお宝の山だった。

その地下には小さなものから大きいものまで、多種多様なお宝が眠っていた。その地下を掘り当てると、一攫千金も夢じゃないという話は面白かった。

武 路具(ブ ログ)先生は、SEO上位のためのキーワード選定、稼げる武路具のテンプレなどを教えてくれた。

それはとても興味深かったが、骨が折れる地道な作業であることも知った。

それにしても、私は思う。

大人たちはなぜ当たり前のことを、したり顔で声高に叫ぶのだろう。

困ってる人には親切にしよう、
挨拶はきちんとしよう、
若いときは一瞬だから今を大切にね、

そんな話ばかりで辟易してしまう。

というわけで、くすぶっている私は放課後になると、軽音学部に入り浸り、そのうっぷんを晴らしている。

軽音楽部は女子3人でみな高校二年生。
私、ゾロメ、ゆがみである。

私たちのバンド名は「放課後センチメンタルス」

Vo. / Gt.ゆがみ

Ba. / Cho.ゾロメ

Drs. ハチコ

3人でチャットモンチーやGO!GO!7188のコピーバンドをしている。

軽音楽部の顧問はR先生。R先生は噂によると、かつては秘密結社あふぇりえいたーずの一味であったらしい。

最近はキャンプに熱を上げて、部活中にもかかわらず、アウトドア雑誌『BE-PAL』を読んでいる。

先生は「夏になったら、みんなで夏フェスに行こう!そうだ!フジロックに行こう!北海道のRISING SUN ROCK FESTIVALもいいよなぁ!」なんて言っているけれど、
先生それ、キャンプしたいだけじゃねwと私は密かに思っている。

軽音楽部はかなりゆるく、部活中にゾロメちゃんが持ってきた漫画を読んだり、ゆがみちゃんの最近の恋バナを聞いて盛り上がる。私はというと、コンビニの新作のスイーツを食べている。(私は一日一甘味ないと生きていけない人間である)それもバンドの創作活動の一助であると言い訳をしながら。

来年から私たちは高3の受験生となり、部活に本腰を入れられるのは、今年の夏までしかない。

私たちは、全国高校生アマチュアバンド選手権「TEENS ROCK IN HITACHINAKA」に応募することを決めた。

コピー曲ではなく、オリジナル曲での出場が条件である。

私たちは頭を悩ました。
そんなとき、一通のメールが。

それは未来の私からだった。

「悩んでる過去のわたしへ わたしが作った歌詞を送ります。よければ使ってください。未来のわたしより」

タイトル「今夜もセンチメンタルは5センチメートル」

今夜もあたしはセンチメンタルが止まらない
ロマンチックはもともと止まってる
放課後の秘密のキス?
そんなのねぇわw

自己嫌悪に推しつぶされて
地の底でメンタルやられる5秒前

女同士チャリで2ケツ
放課後あの子と食べたコンビニのアイスクリーム

ああ、もう一度食べたいな

アイスが腕まで溶けて笑ったよね
100円玉借りっぱなしだけど 
次はいつ会えるのかな

くだらないことして笑った夏
夜の公園のブランコ
無駄な時間が愛おしい

センチメンタルを測ったら
今日は5センチ 

あしたはきっと1メートル
あたしのセンチメンタルをハサミで切れるのはあの子だけ

こんなおセンチな夜はあの子に
電話してみようかな

久しぶりなんて、言わないで
昨日ぶり、みたいに話したい

明日の放課後は何して遊ぶ、なんて言いながら」


今の私たちがこの歌詞で歌ってもあまりエモくないような気がするけど、とにかく私たちには時間がなかった。

でも曲は、どうしよう……

そんなとき部室にOBのジロウ先輩が、いつも通り、箱買いでうまい棒(チーズ味)差し入れに持ってやってきた。

先輩の口癖は「女は黙ってうまい棒」である。

先輩は進学と同時に東京へ上京、仕事が多忙にも関わらず、長い休みになると部室に顔を出す。

「ジロウ先輩、この歌詞に曲、お願いしまっす🫶」3人で軽めに土下座した。

先輩は頼まれるとなかなか断れないタイプである。

「えーー、あーー、うーーん、できたらーー……」先輩はもともとウィスパーボイスだが、その声はさらに小さくなり、消えてしまった。

ここで一旦CM入りまーーす!
私、ハチコのブログはこちらですっ。

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