2019年振り返りと来年に向けて

今年もあと10日を切ったということで総括。

1月16日

ROAD TO KNOCK OUT vol.3に出場し、橋本悟選手と対戦。

昨年8月に1年半のブランクから復帰してKO負け。11月に中国遠征するもまたもKO負け。

正直もうあとがないという心境でしたが、会場は自分が大好きなアーティストだったKalafinaが周年ライブを毎年行っていて前から試合をしてみたかったSHIBUYA O-EAST。ここで復活してやろうと思っていました。

しかし結果は以前は勝っている橋本選手に2RKO負け。

試合後に控え室でのインタビューで会長には

「もう良いんじゃないか…」

と言われました。

会長にそういうことを言わせてしまったことは申し訳なく思いましたが、自分としては試合直後はもう一丁っていう気持ちでした。

ですが後日試合の映像を観たとき

「もう辞めよう」

と思いました。

倒れ方、などもありますが動きを見て今のトップ選手達との圧倒的な差を感じ

「自分は本当のトップにはなれないんだな」

と思ってしまいました。

今まではこんな自分でももっと強くなってもっと高いところに行こうと思って続けてきましたが、無理なんだなって悟ってしまいました。これなら続けてもしょうがないと。

ですがその後知り合いの選手の良い試合を観たり、ライブに行ったりするとまだ「自分も自分のステージに上がりたい」という想いが残っていることに気がつきました。このまま辞めたくないと。

ちょうどその頃に加藤会長がPHOENIXを辞めて独立し、新しく別にジムを出すことが決まり、自分の中でもその後の選択を迫られました。

まだ自分の中ではやるも辞めるも決められていなかったので、移籍するも何もないなと思ってPHOENIXに残ったというのが正直なところです。練習もしていなかったです。

その中で、会長が新しく作ったジム「FAITH」に移る選手もいて、また別のジムに移る選手もいて、PHOENIXに残ったのは梅野源治と雅駿介だけ。

ウメちゃんはもうずっと前から自分の実力に見合うような練習相手もいない中で結果も出してきているのであまり心配はしてなかったのですが、雅はベルトも取って今これからって時期にこういう状況で練習相手もいなくて大変だろうなって思いました。

だから最初はたいして動けないかもしれないけど雅のサンドバッグ代わりにでもなりに行くかーってぐらいの気持ちで練習に行き始めました。そういう優しいとこあるんですよハチマキってヤツは…。

まあ案の定ボコボコにされたわけですが、練習していくうちにだんだん動けるようになってくるし、まだやれるって気持ちも強くなってきました。

正直これは練習行き始める前から自分でわかっていました。やる気なんてのはやり始めないと出てこないもんなんです。練習始めれば勝手にやる気が出てくるだろうなと僕はわかっていました。そういう賢いとこあるんですよハチマキってヤツは…。

そしてまだ試合するとも何も言ってない時期にNKBのマッチメイクをやっている竹村さんから連絡をいただきました。 「もう試合はしないの?」と。

ちょうどそろそろ試合をしたいなという時期に声をかけていただいたということもありますし、竹村さんは以前から僕のことを評価してくれていたので期待に応えたいなとも思いました。

そして10月12日にNKBで試合が決定。

が、類を見ない大型台風が直撃するということで試合2日前にイベントの中止が決定。

マジかーと気の抜ける思いもありつつ、中止が決まる前日にキックとは関係ないところで人生の中でもショックな出来事があり、このままでどんな心境で試合に臨めるんだろう…?と動揺していたのでホッとしてしまった部分もありました。

仕切り直しで12月14日に改めてNKBで試合が決定、それが先日の試合。

それに向けて準備をしていく日々で、もう今回で終わりにしようと思うようになっていました。

身体はもちろん、心も以前のようではないなと自分で感じました。

自分がどうしてもやりたいならともかく、このぐらいの状態であれば周りに心配をかけてまでやるべきじゃないと思いました。

それでも試合前に「これで辞める」と言い切らなかったのは引退するから来てください、という言い方はあまりしたくなかったのと、勝つにしろ負けるにしろ、試合が終わってみたらまたやりたくなってしまうのではないかと思ったから。

でも何も言わずに辞めてしまうというのも今まで応援してきてくれた人達に悪いなとと思ったので「最後のつもりで」という風な言い方だけしておきました。

試合当日。

これで最後、やっと楽になれると思いました。晴れやかな気持ちにすらなれました。

最後だから、悔いのないようにおもいっきりやろう。楽しもう。そう思ってリングに上がりました。

が、その結果がわずか30秒ほどで怪我によるKO負け。これで辞めたら悔いしかない、そんな結果に。

本当に観に来てくれた人達には申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

しかし我ながら面白いなとも思いました。人生思うように行かなすぎて。

でもこれだけ上手く行かないんだから、他のことでもやる前に悩んでも仕方ないとこれから開き直れるような気もします。

迷って悩んで、やってみても思うようにいかない2019年でしたが充実していなかったかと言われればそうではなかったし楽しくなかったかと言われてもそうではない。

そう思えるのは色んな経験をすることで、辛いことや大変なことがあっても「じゃあどうすれば良い?」と前向きに考えられるようになったからじゃないかと思います。

自分の実感としてチャンピオンになった頃と比べて今の幸福度が低いかと言われればそんなことはなく、むしろ幸福度は年々右肩上がりで上がっていると感じられています。

来年2020年、選手としては今度こそ次で最後です。勝とうが負けようが終わり。やっぱりやるって言ったら笑ってください。

辞めた後、どうやって生きていくかに関しても悩んでいるし不安もあります。でもそんな日々も楽しんでいけると思います。

この前の試合前もそうですが、折れそうな心を支えてくれたのは「応援してくれる人達にもう一度勝ったところを見せたい」という気持ち、それだけでした。

本当にどんなに負けても毎回たくさんの人達が応援してくれて本当になんでなんだろう?って自分で思うんです。

これが人徳ってやつか…。

冗談はさておき、最後は自分も、応援してきてくれた人達も納得のいく試合にします。

痛めた脹ら脛は思ったより回復してきていて普通に歩くぐらいはもうできています。

試合、いつになるかはまだわかりませんが、見届けてもらえたらと思います。

to be continued…

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