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今年読んだ小説たち

 もう12月21日だし、振り返ってみようかな。

 今年読んだものは、ちょっと少ない。体調を崩して休職していたせいもある。時間があるから逆に読めそうだけど、診断済みの鬱はそんななまっちょろいものではなかった。
○「希望の国のエクソダス」村上龍
○「普通の女の子として存在したくないあなたに」村上龍
○「暗室」吉行淳之介
○「生命式」村田沙耶香
○「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ
○「歌うクジラ」村上龍
○「海辺のカフカ」村上春樹
○「パン屋再襲撃」村上春樹
○「猫を棄てる」   村上春樹
○「静かに、ねぇ、静かに」本谷有希子
○「ぼくの短歌ノート」穂村弘
○「かけがえのないマグマ」大森靖子、最果タヒ
○「職業としての小説家」村上春樹
○「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹

 このくらいかな。
 見返してみると驚異の村率。
 鬱だったせいか所謂「激情」に走った小説というよりは、精神をニュートラルにしてくれる、ドライでさらっとした文章を好んで自分の精神を必死で調律するようにしていたから、村上春樹率が高い。今まで私の中でムラカミといえば村上龍で、大好きで、村上春樹?小説よりエッセイの方が断然面白いよあの方はと思っていたけれど、今年は自分なりに村上春樹のきちんとした楽しみ方を掴めた気がします。それでも、汚くてくっっさい村上龍の小説の方が好みなのですが(個人の見解です)。でもすごい、鬱から脱却しようという思いで村上春樹の影響が強かった一年だった。規則正しい生活と運動。ジム契約して通ってるもんね。運動嫌いの私では今まで考えられなかったことです。
 村田沙耶香はずっと好きな作家で相変わらず気持ち悪くてよかった。
 海外作家として唯一入った「存在の耐えられない軽さ」は本当に読んで良かった。読後感がなんとも言えない。胸が痛んで泣きたくなった。世界は東京オリンピックとコロナ禍のぶつかりあいのなか、私と本の2人の世界だけは切ない静寂の中で息をしていたと思う。サビナのことがとっても好きです。

 読んでいる途中のものは、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」とアーバンギャルドの「水玉自伝」です。年末年始を利用して、なんとか読み切りたい。 
 来年は今更ながらサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を読む。今まで読んでなかったの?はい、そうです。「フラニーとズーイ」は読みました。そっちは読んでるんかい!そう思いますよね。ちゃんと、読みます。

 よく、学生さんたちが夏休みの期間に図書館に行きました。図書館の職員の方の展示の素晴らしさや、ヤングアダルト向けのちょいホラーの文庫の横にスティーブンキングも忍ばせておく、読書の毒にいかに引き摺り込ませるかの工夫がとっても良かったし、子供たちが読書感想文でも書かなきゃいけないのか、本を必死で選んでいる姿も良かった。
 読書感想文って、夏休みの定番みたいな感じの宿題だけど私は一度も書いたことがないんですよね。読書感想文か、自作の小説を書け、みたいな課題は出て自作の小説を提出しました。先生にどっかの大会に応募しない?と言われて応募をした笑笑 昔の話っす。

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