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第10夜 『神さま』と呼ばれた亀

ある朝 神様は、様々な動物たちを 自分達の神殿の前に集めました。

集められた様々な動物達は 「何事か?」と思いながら皆 ザワザワと、ざわついていました。

神様とお付きのものが、神殿の中から現れ 皆の前に立ち そこから お付きのものが ゆっくりと一歩前へ出ると動物達は 静まり返り注目します。

そして、お付きのものは 天を揺らすような大きな声で こう言いました。

「ここにいるもの達は 一度でも神になりたいと願った者を集めておる!
そして、今 我々は 人手不足だ。
そこで お前たちの中から神を選ぼうと思う。
選出の方法は 今日から、ちょうど 90日後の正午に あそこに見える大クスを始まりとし 最初に この神殿の門をくぐったものを神とする。
よいな!!」

「「「ウォー!」」」

と、猿や牛、熊や人間など様々な動物たちが 大きな歓声と共に盛り上がりました。

その中の まぁまぁデカい毛の生えた亀も、

「僕も 神になりたい!」

と やる気満々です!

そうして まぁまぁデカい毛の生えた亀は 毎日 毎日早く走れるように努力をしました。

周りからは、
「やめとけ、やめとけぇい!」

「亀が1位になれるわけないだろ(ワラ)!しかも、まぁまぁデカいし!」


「お前は 足の遅い代名詞なんだよ!お前の仲間にウサギに勝ったとかいう作り話までしてたやつがいたぞ(笑)」

とバカにされまくっていましたが それでも亀は 神になりたく毎日毎日 雨が降っていようが 体調が悪かろうが自分のできる事を精一杯やり続けました。

そして、90日後のお昼前の朝 様々な動物達が 集まり いよいよ
「神主催 第一回 神レース この世で1番早いやつ」
が 開催されました。

「位置について……よーい……ドンっ!!」

と神のお付きのものが 銃声を空に響かせたと同時にもの凄い速さで 飛び出した生き物がいました!

亀です!

亀は 一度甲羅の中に手足をしまい もの凄い力で手足を出す力を利用してとんでもない推進力を産み出していました!

まぁまぁデカい毛の生えた亀は 努力の末 新しい走り方を編み出し ブッチギリで他の生物を超越していました。


後ろから 他の動物達は まるで薬でもやってるかのように 狂ったように追いかけてきますが、それでもグングンその差は開いて行きます!

そうして、亀がブッチギリで一位を走っている途中に 崖のそばで 1匹の角の生えたウサギがワンワンワンワン泣いているのを見かけました。

よく見ると そのウサギは もう一匹 血だらけのウサギを抱いていました。

亀は それを見て、

『どうしようもないよね……だって寄り道してたら一位を取れず 神様になれないんだから………。』

と、通り過ぎようとしましたが なんだかモヤモヤした気持ちになり足を止めて考えました。

「僕は なぜ神様になりたかったんだ?僕は 誰かを助けたいから神様になりたかったんだ………今ここで あのウサギさん達を見捨てて神様になっても それは 僕のなりたい 神様じゃあない。」

そう独り言を呟くと亀はきびすをかえし、凄い速さで2匹のウサギのもとへ飛んでいきました。

「ウサギさん!どうしたんだい?!」

「兄が……兄が崖から落ちて……なんだか息をしていないようなんです……。どうしたんでしょうか。兄は、どうしたんでしょうか……僕のせいなんでしょうか……。」

「わかった。とにかく 落ち着いて。僕が 急いで病院まで 運ぶから。」

そういうと 亀は、動かない兄さんウサギを背中に乗せ 弟と名乗るウサギには 毛を持たせて 凄い速さで病院へ飛んで行きました。

しかし、兄さんウサギは すでに 生き絶えていました。

「ゴメンなさい、ウサギさん…僕が もっと早く走れたら間に合ったかもしれないのに………。」

「いやいや、亀さん。とんでもない。兄をあんな風にしたのは 僕のせいなんだ。でも、兄の最期の顔は なんだか笑っていて僕に『ありがとう』って言っていたような気がするんだ。ずっと 兄のことを考えて大変だったけど、これからは 自分の道を歩く事にするよ。」

「そうだね。その方が きっとお兄さんも喜ぶよ。…僕もウサギさん達のおかげで本当になりたいものが わかったよ‥‥ありがとう。」

そういうと 兎と亀は 別々の道を歩いて行きました。

亀は それから毎日毎日 勉強し努力して スンゴイ医者となり 命を救った患者やその家族から『神様』と呼ばれるようになりました。

この話の教訓・・・それは、本当にしたい事なのか考えてみたりしてみる。

サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!