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パパはトイレトレーニング中③

ドリルです。


これは 10年以上前の ある夏の日の出来事です。

現場で穴を掘っているとコンクリートが出てきたので 僕はブレーカーというバリバリと地面を割るやつでコンクリートを割っていました。

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こんなやつです。




「あぁ!タケダさん!このコンクリート硬いわけやわ!鉄筋入ってるわ!」



「ドリルよ!鉄筋は 気を付けろよ!俺も昔 鉄筋に引っかかって服ビリビリに破れたからな!

片乳出てるのに 電車で帰らなアカンという地獄を味わって めっちゃ恥ずかしかったぞ。だから今は ちゃんと着替え持ってくるようにしたわ。」



「えぇ!めっちゃワイルドやん(笑)やっとんなぁ、タケダさん!




「しかし、ドリルよ!このクソ暑いのに それカッパか?いや、ヤッケやな?そんな ヤッケなんか履いてお前 大丈夫か?」



「うん、これ 履いとかなズボン ドロドロなるから。ヤッケ履いてたら汚れ方が全然ちがうねん。洗濯機が砂で壊れへんように 履いてるねん。」



「そうか。汚れ気にしてるクセに白いヤッケ履くねんな(笑)見てるだけで暑いで。まぁ、しんどくなったら言えよ!いつでも 代わったるからな!」



「うん、ありがとう。ヤッケは 汚れても気にせぇへんし しかなかってん。別に何色でも良いしさ。」



「そうか?でも、白はないで!白は!」



「ハイハイ。今度からは 違う色にするわ。」



そうして しばらくブレーカーを突いていると 急に オナラがしたくなった。

しかし、このオナラは 少し怪しいオナラだ……。


もしかすると もしかするかもしれないが もしかする確率は 2割程度……普通なら勝率80%なら迷わずオナラをするだろう。


しかし、僕は 慎重派なので 様子を見る……。


「おい!ドリル!」




「はいっ!」

『ブリュッ!!』



しまった!!!!


出た!!


全部でた!!


油断した!!



クソっ!くそっ!糞ゥぅう!!



全部 タケダのせいだ!!!!



「なに?タケダさん!なんなん?なんか用なん?」




「いや、大丈夫かな?思って…お前 ずっと突いてるから……何で そんな 怒ってんねん?」



「大丈夫やったけど、タケダさんのせいで のっぴきならない事態になりました。

取り敢えず ブレーカー突くの代わってください。

ちょっと コンビニ行ってきます。」



「えっ?俺のせい?何があってん?まぁ、そんな事なら 早くコンビニ行って来い!作業長には 俺から言うとくから!」



僕は 慎重に 且つ 急いで ダンプに乗りコンビニに向かった。


これはヤバい。


感覚的にわかる。


一刻も早く処理をしなければ……。


しかし、こんな時に限って コンビニが 見つからない!


そう思って10分ほど ダンプを走らせ ようやくコンビニに到着した。



店員さんに

「トイレ 借ります!」


と、一言だけ伝えて 直ぐさま トイレに入る。


そうして、パンツを見る。






アウトだ。




そして、ズボンを見る。






アウト。





最後の望み……ヤッケを見る。







セーフ!!




助かった!




これで 取り敢えず 一旦 出てパンツだけでも買おう!


ん?…………!


しまった!


財布を忘れてきた!




僕は 仕方なく ヤッケでノーパンという かなりリスキーな カッコをしなくては なくなった。



そして、ヤッケを直に履いて気付いた。



めちゃくちゃ 透けてるやん!



白……めっちゃ透けるやん!


タケダさんの言う通り『白は ないな……。』



しかし、いつまでもトイレで籠城をしている訳にもいかず 意を決してトイレから出る。


軽く洗ったビショビショのズボンとパンツを小脇に抱え 出来るだけ コンビニの店員さんの顔を見ないようにして無言で 出口まで急ぐ。


店員さんの

「ありがとうございましたぁ!」


が 僕の心をえぐるように感じた。


しかし、ノーパンでスケスケのヤッケは かなりドキドキする。

何という背徳感なんだろう こんなにドキドキするのは変態なんだろうか………いや、違う。

僕は マジョリティだ。誰だって ノーパンヤッケは ドキドキする。そうだろう?と、自分に問いかける。

少しクセに なりそうたけど 大丈夫だ。

理性が勝っている。


現場に 着いたらすぐにパンツを買いに もう一度コンビニに 行こう!



そんな 葛藤の中 現場に着くと……


「コラァ!ドリル!どこ 行っとってん!!」



作業長が カンカンになって怒っている!




「えぇっ!すみません、お腹の調子が悪くて……タケダさんが 作業長に伝えとくって言うてくれてたんですけど。」




「はぁ?タケダのオッサンは お前が コンビニにジュース買いに行ったって言うてたぞ!

何か『俺のせいで 喉が渇いたから コンビニに行くって言うてた』って言うてたぞ!」




「えっ?なに?喉が渇いたなんか 一言も言ってないけど?どんな 脳の処理機能してんの?バグってるやんか!」



「なんでも 良いから 早くこっち来て穴の中入れや!お前が30分以上どっか行ってる間に みんな コンクリート割ったりして 仕事しとんねん!」




「はい!すみません!」




僕は 怒られて 『とにかく急がねば!』っとノーパンヤッケの事など すっかり忘れ 急いで 穴の中に入ろうとした その時………






『ビリッ!ビリリリリィィィィイーーー!!』


「あぁーん!あぁあぁあぁァアーーーー!!」






ヤッケが鉄筋に引っ掛かり 僕のあられもない姿をタケダさんや作業長の前にさらけ出してしまう。




それを見て タケダさんが……




「やっとんなぁ、ドリル。」


パパは只今41歳………まだまだトイレトレーニング中。


この話の本当度 100%

この後 タケダさんが スボンを貸してくれました。


破れた時用に持ってきている服には なんとズボンまで予備で 持ってきていたようです。


少し大きくてダサいズボンでしたが この上なく 嬉しかったです。


ノーパンで ズボンを履いてる僕を見て、


「もう、返さんで いいから。」

と、懐の深さも見せてくれた タケダさんでした。


そのズボンは 今も大事にとってあります。

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サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!