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第12夜 ビーバーの願いごと

ある朝 神様は、様々な動物たちを 自分達の神殿の前に集めました。

集められた様々な動物達は 「何事か?」と思いながら皆 ザワザワと、ざわついていました。

神様とお付きのものが、神殿の中から現れ 皆の前に立ち そこから お付きのものが ゆっくりと一歩前へ出ると動物達は 静まり返り注目します。

そして、お付きのものは 天を揺らすような大きな声で こう言いました。

「ここにいるもの達は 一度でも神になりたいと願った者を集めておる!
そして、今 我々は 人手不足だ。
そこで お前たちの中から神を選ぼうと思う。
選出の方法は 今日から、ちょうど 90日後の正午に あそこに見える大クスを始まりとし 最初に この神殿の門を潜くぐったものを神とする。
よいな!!」

「「「ウォー!」」」

と、虎や牛、熊や人間など様々な動物たちが 大きな歓声と共に盛り上がりました。

口の臭いビーバーは、その話を聞いてガッカリしました。

「俺は 足の遅いデブのビーバーなんだ!どうしたって一位なんて なれるはずがない!俺が勝てるのは せいぜいあの無駄にデカい亀くらいのものさ!」

そう言って ビーバーは、足下に落ちていた木の実を拾って地面に投げつけました。

するとその木の実は 粉々に砕け その砕けた木の実の粉は 風に乗ってビーバーの鼻の中に入っていきました。

思わず その粉を吸い込んだビーバーは まるで翼が生えたように体が軽くなり全ての五感が研ぎ澄まされて なんでもできるような気がしました。

そして、大きく息を吸って 口から出したときに我に帰りました。

自分のあまりの息の臭さに 正気を取り戻したのです。

五感が研ぎ澄まされていた お陰で普段の何百倍もの息の臭さを感じる事ができました。

「こ、これは‥‥危なかった…幻覚を見ていたのか?でも…もしかして…これを使えば 僕もレースで一位になれるかもしれない!」

そういうと ビーバーは、すぐに白い木の実の栽培に取り掛かり その木の実が出来ると自分より足の早そうな動物達に 配り始めました。

そして、ビーバーは 神様のお告げを聞いた夜中から 毎日 神殿の門の前で 奇妙な踊りのようなものをするようになりました。

そうやって 90日が 経ち正午前にレースの為 様々な動物達が 大クスの周りに集まりました。

そして 遂に、

「神主催 第一回 神レース この世で1番早いやつ」

が 開催されました。

「位置について……よーい……ドンっ!!」

と神のお付きのものが 銃声を空に響かせたと同時に みんな凄い速さで 飛び出していきました。

勢いよく飛び出して行ったみんなを見て

「よしよし……。」

と、ビーバーは ほくそ笑みながら ゆっくりと最後尾をついて走りました。

動物達は ビーバーにもらった白い木の実の粉を吸っていたので 凄い勢いで 神様の神殿の入り口まで辿り着きました。

熊も牛も虎も みんな ほとんど同時にゴールしようとしたその時、

「ドスーン!!」

と、凄い音がして地面が落ちてしまいました。

急に地面が 落ちたのでみんな何が起きたか分からず もがき苦しみます。

そして、白い粉を吸っている動物達は幻覚が見え 虎や牛、熊も狂ったように暴れ回ったのでみんな死んでしまいました。

ビーバーは 毎日神殿の前で踊っていたのではなく 90日間かけて 大きな大きな落とし穴を掘っていたのでした。

そして、ニタニタと笑いながら動物達で埋まった落とし穴の上を歩きながら1番 最初に神殿の門をくぐったビーバーは 言いました。

「神様!1番になりました!さぁ!約束通り僕を神にしてください!」

すると神殿の奥から神様が ゆっくりと出てきました。

「そうかそうか、よく頑張ったな。
それでは お前を神にしてやろう!」

そして、ビーバーは柔らかな光に包まれて神になりました。

ビーバーは 神になってやりたい事が ありました。

神になって 大好きだった ソルトという メスビーバーを生き返らせたかったのです。

神にさえなれば 大好きだったメスビーバーと、

また一緒に働ける!そして、今度こそ『好き』と伝えよう、、、

ただただ それだけを想い神になろうと決意していたのです。

「神様!僕は 今 神になったんですよね?神になったら 何でもできるのでしょう?例えば死んだ者を生き返らせるのも?」

「お前は 何を言っているのだ?そんな事できるわけないだろう。

お前に 授けた力は 休むことなく働き続けることのできる身体じゃ。
お前は これから休む事なく死ぬまで我々の忠僕として仕えるのじゃ。ハッハッハッ!」

こうして 口の臭いビーバーは 神様に仕える神となりました。

この話の教訓・・・落とし穴は 危ないから掘っちゃダメ。

サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!