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首都、東京の色は何色か。東京ダービーとは何か。(サッカーの話)

こんばんは。
今回は私がサポーターをしているプロスポーツチームの話をします。

住まいが東京なもので、そのままFC東京のサポーターになったのですけど。
結婚して地元のチームを夫婦で推すようになったので、ファンとしてはゆるく推している方でしょうか。初めて見たのはJ2リーグに落ちて、長友選手がイタリアへ行ったあとの年の後半、水戸ホーリーホック戦からなんとなく観てみたというかんじです(ずいぶん盛り上がりに欠けるとこから見たな……と今でも思う)

去年の天皇杯、今年のJ1リーグでヴェルディさんとは初めましてだった私。昔Jリーグ発足した頃の記憶はあるものの、サッカーはそんなに馴染みがないけど、日本代表だとかちょくちょく話題になるスポーツという認識でした。
あまりサッカーの文化、ブーイングに関しては好感は抱いてなかったです。一方、うちの夫は地元多摩地域を愛するものとしてヴェルディさんのことは好きではなかった模様です。
ヴェルディ発足当時のホームスタジアムを決めるときに多摩地域の味の素スタジアムではなくて違うところがいいと誘致を断ったというあらましがあり、そのころのヴェルディといえば読売グループだしラモス瑠偉だとか三浦知良とかすんごい選手が多くてチームも強いしオリジナル10という発足当時からの強豪チームだったから、多摩なんかやだよという態度だったとか。
その後味の素スタジアムをホームにしたのは前身が東京ガスの社会人チームだった我らがFC東京さんになって、多摩地域やもとの深川らへんを中心にサポーターを増やしていく…といった流れだったと思います。
その後ヴェルディさんはいつの間にか増えたリーグのJ2カテゴリに落っこちてしまい、J1カテゴリへの昇格は遠のき、読売グループはスポンサーから外れてしまったり、と私の知っているチームではなくなっていたんですけど、川崎ヴェルディだったのが味の素スタジアムをホームに、チーム名も東京ヴェルディになったようです。
そんな流れがあるもので、同じ「東京」を冠するチームとして、「ヴェルディだけには負けられない!」「一生青と赤、緑は大嫌い」とサポーターは歌うのです。(以前、チームカラーが緑色の松本山雅さんが流れ弾を食らって「なんで???」ってなってましたね…)

ヴェルディはチームカラーが緑色で、FC東京は青と赤をイメージカラーにしています。アイテムはチームカラーを選びがちなサポーターあるあるで、緑色の服を買おうとすると夫がなんか言いたそうにします。

私は個人的には東京の東側出身で多摩地域は好きだけどこだわりはなく、そもそも対戦見たことないし、どんなチームかわからないレベルだったので、そこまで嫌わなくてもいいのでは?と思っていました。
それもまあ失礼な話ではあったかもしれませんけど。

去年の天皇杯で久しぶりの東京ヴェルディとの対戦で、初めて見たダービーは異様な雰囲気で、ゴール裏の興奮とブーイングの凄まじさに大変戸惑いました。(そもそもブーイング慣れてない)
試合前だったか、ゴール裏から白い煙?靄?がかかっており、あまりの熱気にモヤモヤが発生したのかと思いました(西武ドームで夏とかよくあるんだもん…)
後で知りましたが、ゴール裏で誰かが発煙筒を焚いたそうです。
正直そこまでする???と引いてしまいました。(発火物とか危険なものの持ち込みはどこも禁止しています!)関係のない緑色の看板に卵を投げた器物損壊だとか、騒ぎに乗じた人が出て非常に肩身の狭い思いを東京サポーターにさせたのは許せないと思います。
サポーターや元選手が街中でユニフォームを着てゴミ拾いをする、地元の親善大使をするなどの啓蒙活動をされることもあれば、こういったフーリガン的な構ってほしいような、アレな人もいます。
あの騒ぎの後は試合のことよりそっちが話題になってしまって試合を楽しめない状況が非常に不快でした。

そんなこともあって、余計にブーイング文化が許容しにくい気持ちでおりました。あと、プロ野球のライオンズにも嫌な移籍の仕方をした人がいてそのブーイングも治安悪くて気分がよくないです。基本そういう人物には私は無関心を貫きます。だって、チームを変わったあとも応援したくなる人柄をどうしても期待したいのですもの。これ以上人間性を疑うようなことをしてくれるな、と思ってしまう。自分の好きなチームを貶めるような言動をされたら、悲しくてもう、顔も姿も見たくないって思います。
(一時本当にユニフォームを見るのも嫌なチームあったんよ…)

閑話休題。
サッカーのブーイングはある程度、選手へは「巧くてムカつく!」というリスペクトも含まれており、出場選手の発表時、強い選手や有名な選手はブーイングをされます。あんまりブーイングしどころのない対戦相手の時もなくはない…FC東京は大きめのクラブで有名選手が多いのでブーイングはよくされているチームだと思います(ライオンズと違って資金力あって羨ましく思うことは割とある)
あと、過去に自チームの選手がケガをさせられたとか、移籍の時にいらんこと言いだったなどの因縁があった選手だとか、ジャッジがおかしかった審判だとか、ブーイングの意味は結構色々あります。

2024年4月、私にとって初めてリーグ戦においてのヴェルディとの対戦が実現しました。
FC東京のホームとして使っているいつもの味の素スタジアムですが、今回はヴェルディのホームとして。
逆側から、チケットを買って味の素スタジアムに行くなんて新鮮です。
スタジアムに入ると、すでにチャントを歌うFC東京のゴール裏。
え、珍しい。いつもなら試合開始ギリギリまでごはんを食べているFC東京のゴール裏が試合開始30分前ですでにチャントを…!
本当に気合入ってるんだな…とわかります。(蝗、と言われるほどの食いっぷりでアウェーのチームにはすっかりネタ扱いのチームなんです。アウェー札幌戦とかTwitter(X)上では移動距離を無視した動きをしている東京サポが複数いて確認できます。稚内で試合間に合うの…)

ヴェルディのコレオ。観客席に色紙が置いてあって、それを一斉に掲げています。東京都のマークだ(笑)
東京都は緑色だろ?ってことね!

座席はゴール裏2F席の奥にしてまったり見ようって夫が言ってましたが、周り全然まったりしてないよ?
ブーイングとタオルぶん回す前の席の人。憎しみすごくない?
ちょっと引きつつも試合を見守る。
試合は前半に2点も取られてしまって、前半終了前にFWの安斎選手がレッドカードで退場し、10人で後半まるっと非常に不利な状況で戦う羽目に。
じりじりと時間は過ぎて、ずっと絶えることのない「ヴェルディだけには負けられない!」のチャント。こんなに煽っておいて2-0なんて、(ライオンズの試合経過も言い表せないほどひどくて)翌週どうやってやり過ごせばいいのかとダメなことも頭には浮かぶけど。
パスはうまく通らなくて、雑に行っては取られて慎重に行けば奪われ。
苦しい中でも人数の差はそこまで感じなかったかもしれませんが、なかなかうまくいきません。
それでも、東京の選手は走り続け、結果的に数多くスプリントを繰り返し、後半23分頃に白井選手がぐっと出てきてボールを運び、遠藤選手が決めて1点をもぎ取り、チャントを絶えず歌うゴール裏。
せめて追いつきたい!と祈るような気持ちで見守ります。
アディショナルタイム4分経過した頃に遠藤選手のゴールで追いつき、試合をドローに持ち込みました。
これは絶対に負けられない試合だと、数日前に完全移籍が決まった遠藤選手が真剣にサポーターの気持ちを受け取ってくれました。

ヴェルディの選手たちを私はあまり知らなかったのだけど、染野選手の綺麗なボレーシュートを見て、これは「負けていられない相手」なんだと思いました。
私がサッカーのルールを覚えたり選手を覚えている間にはJ2で試合をしてきた、読売グループですらない、Jリーグ発足当時の面影などはないヴェルディですが、チャントで知っていたこのチームはあの「緑色」で、「東京」を冠するライバルのチームなんですね。
私はいままでブーイングとかダービーだとかこじつけみたいでそこまで重要に思ってはいなかったのだけど、なるほど「東京ダービー」の意味を、昔の出来事は知らない世代の、今を戦う選手たちに教えてもらったような気がします。

多分、前半で2-0にしていたヴェルディの方からしたら、相当疲れる試合だったと思いますが…
とりあえず、最悪の週末だけはFC東京が避けてくれてよかったです。

試合終了後のスタジアム。達成感とサポーターのチャントに報いてくれた選手たちが整列します。

あとからダゾーンで試合を見返したら、川崎フロンターレとのダービーの告知をやっていて、「東京」と「川崎」ダービーを使い分けている様子が、ちょっと蝙蝠みたいだなと思いました。
うちも都心にある国立競技場やサッカーの専用スタジアムをホームにしたいだの言ってますけどね。(※専用じゃないスタジアムは周りにトラックがあるんです。専用だとピッチが近くて臨場感があるのがサッカーファンの憧れです)

今回の東京ダービーは引き分けでしたが、今度は勝ちたいと思っています。
ブーイングはしないかもしれないけど、そこまで引くことはなくなりそうです。

ではまた。

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