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映画音楽

映画好きの父は、よく私を映画館に連れて行ってくれた。初めて行ったのは、隣駅の映画館で、上映されていたのはゴジラだった。途中入場したのですでに満員立ち見状態、小さい私はスクリーンが見えないので、父が抱っこして見せてくれた。小さいとはいえ、上映中にずっと子供を抱えているのはさぞや大変だったろう。以来、「イルカの日」「十戒」「ポセイドンアドベンチャー」「ドリトル先生不思議な旅」、数え切れないほどの映画を見せてもらった。「十戒」は映画が長いので、途中で休憩時間が入って驚いた。当時はテレビでも映画を放送する番組が多く、西部劇や戦争映画に始まり、とにかくいろいろな映画を、ほぼ毎日見ていたのではないだろうか。

そんなこともあってか、ギターに目覚める前の私は必然的に映画音楽好きになった。007シリーズのテーマはどれも好きだが、なかでもポール・マッカトニーが担当した「007 死ぬのは奴らだ」はいまだにお気に入り。あの頃は好きな映画音楽を集めて、ベスト版を作って楽しんでいた。いまでも何本か当時のカセットが残っているが、タイトル写真のカセットレーベルは姉が愛読していた「FMレコパル」の付録だったと思う。背表紙に「CINEMA MUSIC & POPULAR MUSIC」と書かれている通り、映画音楽に加え、久保田早紀「異邦人」やイーグルス「ホテル・カリフォルニア」なども録音されており、当時のマイベスト的なテープになっている。

このカセットレーベルに写っている
ジャクリーン・ビセットはわりと好きな女優さんだった。
彼女の出演作では「007 カジノロワイヤル」「ブリット」
「オリエント急行殺人事件」「料理長殿ご用心」などを見ている。
しかし、彼女がアンジェリーナ・ジョリーの名付け親とは知らなかった。

カセットには「世界残酷物語のテーマ」と書いてあるが、正しくは映画「世界残酷物語」のテーマ「More」だ。ドキュメンタリー映画で確か日曜洋画劇場(淀川長治さんが解説していた人気プログラム)で見た。

あまり子供向けのの内容ではなかったが、テーマ曲は残酷という言葉と相反して、とても美しい旋律が印象的だった。椎名林檎がこの曲をカバーしているのも、なんとなくうなづける。彼女も「世界残酷物語のテーマ」をご覧になられたんだろうか。なんとか動くテープレコーダーでカセットを再生しながら、当時を懐かしく想い出した。


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