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RIZAP株主必見!新株予約権の発行で株価が上がる?

RIZAPグループ(証券コード:2928)の「第3回募集新株予約権の発行に関するお知らせ」が2/22に行われました。

この記事では、お知らせの内容を「初めてRIZAP株を買った方」にもわかるようにポイントを絞って解説しています。

興味のある方は、最後までお読みいただき、もし良い記事だと思っていただけたら「いいね」「コメント」「フォロー」をいただけると嬉しいです。目次だけでも概要を掴んでいただけます。

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なお、IRリリース資料(全5ページ)から文章を引用しています。

なんで「新株予約権の発行」をするの?

一般的な目的

新株予約権の発行を企業が行う場合、主に3つの目的が考えられます。

  • 資金調達
    成長期の企業が、社外からの資金調達する手段としてよく利用されます。新たな資金は、事業拡大や研究開発へ投資されます。

  • 株主価値の最大化
    将来の株価上昇を見込んで投資するインセンティブを提供します。すべての株主は企業の成長とともに株価上昇によるキャピタルゲイン(値上がり益)を享受できます。

  • 従業員のモチベーション向上とリテンション
    従業員に対して新株予約権を付与することで、企業の成長に対する貢献や中長期的なコミットメントを引き出します。企業の成功に直接関与することで、モチベーションの向上や優秀な人材の確保・維持を目指します。

IRリリース資料からわかるRIZAPの目的

IRリリース資料からいくつか文章を引用しながら解説します。

1.新株予約権の募集の目的及び理由
当社グループの中長期的な持続的成長および企業価値の最大化を目指すにあたり、chocoZAP事業を中心とした当社グループのさらなる成長に向けたコミットならびに当社グループの結束力を高めることを目的として、当社の取締役及び従業員、当社子会社の取締役及び従業員に対して、有償にて新株予約権を発行いたします。

IRリリース資料1ページ目

「コミットメント」「結束力」というキーワードから、「従業員のモチベーション向上とリテンション」が最も重要視されている目的だと考えられます。

本新株予約権は、発行時における払込価格が有償であるため、経営陣をはじめとする付与対象者が総額約52 百万円の払込価格を負担するリスクを負う中で、行使条件である2026年3月期から2028年3月期までのいずれかの期における連結営業利益40,000百万円の達成に強くコミットすることを目的としております。

IRリリース資料1ページ目

行使条件が「連結営業利益40,000百万円(400億円)の達成」であることから、先週の決算説明会にて発表された2027年3月の追加目標を達成する意気込みを感じます

加えて、将来の権利行使時の株価が、発行時に設定された権利行使価格以上でなければ経済合理性がないため、経営陣・付与対象者に対してより強く中長期的な株価向上を意識づけることが可能となります。

IRリリース資料1ページ目

発行時に設定される権利行使価格は400円です。将来の権利行使時の株価が400円よりも高くなければ、株主のモチベーションも上がりません。そのため、株価を400円以上に高めようと努力する、つまり、株価の向上を意識づけることができます。

「新株予約権の発行」ってなに?

一般的な場合

そもそも新株予約権の発行とは、新しく株式を発行し、その株を買うための予約ができる権利を発行することです。

例えば、今の株価が100円の株があったとします。3年後には200円になる可能性が高い場合、新株予約権を発行することで、3年後に100円で株を購入することができたりします。

IRリリース資料からわかるRIZAPの概要

RIZAPの場合は、発行価額、行使価額、行使条件を以下のように決めています。

(d)新株予約権の払込金額又はその算定方法
本新株予約権1個あたりの発行価額は、100 円とする。なお、~(以下略)

IRリリース資料2ページ目

新株予約権1個あたりの発行価額は100円です。新株予約権1個=100株のため、100株を購入するための新株予約権を受け取るために、100円を支払います。

(e)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額及びその1株当たりの金額(行使価額)
本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、1株あたりの払込金額(以下、「行使価額」と いう。)に、付与株式数を乗じた金額とする。 行使価額は、金400円とする。

IRリリース資料2ページ目

新株予約権を行使するためには、発行価額とは別に行使価額を支払う必要があります。行使価額は1株あたり400円です。

発行価額は権利を受け取るためのお金、行使価額は権利を行使するためのお金、となります。そのため、今回の新株予約権の発行では、RIZAP株を100株得るために40,100円を支払う必要があります

(g)新株予約権の行使の条件 ① 本新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、2026年3月期から2028年3月期までのいずれかの期において当社の有価証券報告書に記載される連結損益計算書の連結営業利益が 40,000 百万円を超過した場合、当該営業利益の水準を最初に満たした期の有価証券報告書 の提出日の翌月1日から行使することができる。

IRリリース資料3ページ目

最も重要な行使条件ですが、前回の決算説明会にて2027年3月期に連結営業利益400億円の追加目標を設定したため、その目標を達成するための条件を設定しています。

連結営業利益400億円の達成が、26年3月期に前倒しされても、28年3月期に後倒しになっても、27年3月期の予定通りでも、今回の新株予約権が行使されます

既存株主にはどんないいことかあるの?

さて、では私たち既存株主にとってのメリットは何でしょうか?

直接的なメリットはありませんが、企業価値の向上や株式市場でのポジティブな影響を通じて、間接的に恩恵を受けることができます。主なポイントを4つ挙げます。

  • 企業価値の向上
    新株予約権は、従業員や経営陣に対する強力なインセンティブとなり、企業の成長と成功に貢献することを促します。貢献意欲が高まれば、企業の価値はおのずと向上し、既存株主が保有する株式の価値も上昇する可能性があります。

  • 資金調達の柔軟性
    新株予約権を通じて資金を調達することで、企業は追加の資金を株式市場から直接得ることができます。これにより、企業は新たな投資機会に対応したり、財務構造を改善したりすることができ、長期的には企業価値を高めることに繋がります

  • 株価の支援
    新株予約権の発行は、市場における企業への関心を高め、株価の支援に寄与することがあります。特に、従業員が自社株を保有することで、株価への信頼感が高まり、株式の市場での評価が向上することがあります

  • 経営と従業員の目標の一致
    新株予約権は、従業員や経営陣の目標を企業の長期的な成功に向けて一致させます。これにより、経営陣と株主の間の利害が一致し、企業が長期的に安定した成長を遂げることが期待されます

ただし、新株予約権の発行には既存株主にとってデメリットも伴います。新株予約権が行使されると、発行済み株式の総数が増加し、既存株主の持分比率が希釈される可能性があります。

RIZAPの発行済み株式の総数は、556,218,000株です。本新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式の総数は、52,710,000株のため、発行済み株式の総数が最大で約1.09倍増えることになります

「時価総額=株価×発行済み株式の総数」のため、時価総額が変わらない場合、発行済み株式の総数が増えると、株価は下がります。これが既存株式の希薄化と言われています。

一方で、希薄化により株価が一時的に下がったとしても、増資による事業拡大により株価が上昇すれば、問題ありません。むしろ、chocoZAPの場合は成長余地が大きい分、今回の増資による事業拡大で株価が上昇する可能性の方が高く、既存株主は少なからず恩恵を得られると思われます

以上、2/22に行われた「第3回募集新株予約権の発行に関するお知らせ」について、「初めてRIZAP株を買った方」向けにわかりやすく解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

長期的に株価が伸びる可能性の高い銘柄となります。RIZAPまたはchocoZAPに将来性を感じる方は、ぜひ、長期保有をしてみてください。

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