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服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.30~お主出来るな?シャツ編~

今年もあと二か月ですね
みなさまいかがお過ごしでしょう

最近ひさしぶりにドラマを見てまして、
「グランメゾン東京」、ワンピースみたいに仲間と夢を追いかける熱いドラマなんですけど、
1話に冨永愛さんが少しでてて

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はい、この貫禄といいますか、Alaiaのワンピースをカッコよく着こなしていて、もう富永ハンパないって!!!って感じですw
気になった方は是非ドラマを見てみて下さい

はじめてご覧の方、このnoteは型紙設計士つまりパタンナーである自分の「服に対する視点」を紹介しています
これを読んでいただき、服の選び方が少しでも変われば幸いかと存じます

さて今回は自分がシャツの縫製を見て
「お主出来るな?」
と思うポイントを書いていこうと思います
(今まで書いたnoteと多少重複する部分はありますが悪しからず)

目次
1.ステッチの細かさ
2.根巻き
3.ケンボロ
4.台衿端
5.裾の三つ巻

1.ステッチの細かさ
これは単純にステッチの細かさ、そのままです
細かいほうがほつれにくく強度も高く、時間をかけて縫われています

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ちょっとわかりにくいですが
上のシャツは1針が1.1mmくらいで、下は1針で1.8mmくらい
下のシャツは全然及第点ですが、上のシャツはこれ以上細かく出来ないくらい細かいですw
ちなみに上のシャツは蝶矢さんのです(納得の声が聞こえてきそうw)

2.根巻き
根巻きとは

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ボタンと生地の隙間を作るために糸をグルグル巻いたものです
これがあるかないか

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これはありませんね…
なぜ必要かといいますと

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生地の厚み分の隙間であり、ボタンをかけるときに指が入る隙間であるわけです
薄い生地のシャツだとあまり不便さは感じないかもしれませんが、ウールのコートなどで、この隙間が狭いとけっこうボタンをかけにくくなります
地味ですが重要なポイントです

3.ケンボロ
詳しくはvol.2を見ていただきたいですが、
ささっと言いますと

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ココの裏側の縫製始末が

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このように生地の端が見えてるのではなく

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このように隠れているほうが良いですね
少しの差ですが、隠れているほうが見栄えがいいし、ほつれないですね

4.台衿端
台衿端とは

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ここの部分ですが、ここが左右対称に縫われているか?です
どこの部分でもそうなんですが左右対称に縫うのは難しいんですよね
で、なかでもこの細くてカーブになっているところが難しいのです

上の画像はかなり左右対称に縫えてますが

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これは3mmほどですが左右対称ではありませんね
(一応言っときますが、品質や着心地には問題ありませんのでw)

5.裾の三つ巻
裾の三つ巻とは

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ここ、裾の部分ですね
上の画像のように一般的にはだいたいステッチが0.5cmの幅で入っています
しかし先にもでてきた蝶矢さんのシャツは

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約2mm!w
細!w
ヤバッ!w
これは技術の高さを物語っていますね…(3mm巾で三つ巻する機械ってないですよね?)

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ちなみに三つ巻ってこういう感じになってます
3mmの幅で巻くって凄いですよね


以上になりますがいかがでしたでしょうか?
有名なブランドでも縫製がそんなにだったり、無名なブランドでもレベルが高い縫製のブランドはあります
是非、ご自身の目で見比べてみて下さい

ではでは、つぎは来年ですかねw

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