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発達障害〜金銭管理が苦手 我が家の背景

「注意欠陥障害」の人は衝動性が高く、欲しいと思ったものを我慢ができず、買ってしまう傾向があるそうです。子どもの頃の意味のない買い物もそうした私の障害がベースになってはいるのでしょうが、やはり、家庭環境は大きいと思います。

父は、大手電機メーカーに勤め、自分の背広などはオーダーで作っていました。でも、子どもの服とかほとんど買ってくれません。成長する過程で、家族で外食することも皆無でした。車も持たず、出かける時は自分だけオートバイに乗っていました。今、遺産相続で揉めているくらい、それなりに資産を残した人でしたが、お金をどう使うか、どう人生を豊かにすることにも使えるか、ということを考えていなかったようです。姉も就職の時に、スーツも買ってもらわず、入社式で一人だけセーターで出席し、恥ずかしかったと言っていました。姪を出産した時に父が持ってきた手土産は賞味期限の切れた菓子箱だったそうです。家に置いておいた貰い物の菓子箱をそのまま持っていったようでした。私も就職で家を離れることになった時に、当座の生活費も言わないと出してもらえず、家財道具もなく送ったもらったのは布団一組だけでした。

気づかない発達障害をベースに、「まともな金銭感覚」のモデルを見ないまま、家を離れ、この後、私の金銭管理はどんどん崩れていくことになります。

親であれば、人生の節目節目でその時必要なものが何かは考えでしょうし、子どもの生活を案じたり、喜んだり、そういうお金のかけ方をすると思いますが、父はその点が希薄な人だったのだと思います。母は裕福で教育熱心、文化的な家庭で育ちましたので、こういう父との考え方のギャップが、母のストレスにもなり、統合失調症の発症の要因でもあったかもしれません。父の兄弟を見てもそれほど偏屈な人はいないのに、何が彼をそうさせたのか、わかりません。

それでも、私が実家に戻り、お金を無心した時に、定期を解約しないと出せないと自転車をこいで銀行に向かう父の後ろ姿を忘れられません。自分の情けなさ、父への申し訳なさの気持ちでいっぱいでした。

子どもは親にもっとこうして欲しかった、と思うものですが、完全な人間はいません。父は人に関心を持ったり、家族を愛したりする能力の低い人でしたが、それがたとえ正解でなかったとしても、父なりにやってくれたことにも感謝したいと思います。


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