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別れの言葉

4月から、新社会人となって、地元を離れる。


そうなると、みんな、誰しもが「元気でね」「生きていてね」「頑張りすぎないでね」と口々に言う。


「寂しくなるなぁ」も、聞こえてくる。泣く人もいる。


いやいや、やめてくれよ。
私はまだ会うつもりでいるのに、まるで今生の別のような、そんな言葉の数々。


しまいには、私の彼氏まで寂しいと泣いている。


やめてくれよ、ちゃんと生きてる。死ぬわけではないんだから。


私は会いたい意志を伝えるために、
今後も付き合いのある友人たちには「これからもよろしく!」と、言うようにしている。


その方が、「また会おうね」よりも曖昧ではないような気がしている。
「また会おうね」は、「行けたら行く」くらいな、ニュアンスに感じてしまうから。


けれど、バイト先の先輩はやっぱり、尊敬する人たちだった。


バイトの送別会の帰り、さよならとも、元気でとも、頑張れとも言わない。


「また飲みに行くぞ」と声をかけてくれた。


私はここで働いてよかった。


言いすぎて叱られ、呼び捨てして叱られ、煽りすぎて叱られ。


嫌なことは嫌と言ってくれる先輩。良いことは褒めて、楽しいことは一緒に笑ってくれる。馬鹿みたいにみんなで飲んで、たとえ潰れても、家までの帰路を見届けてくれた。



幸せをくれた場所だった。私にとって、バイトは第二の実家だった。


先輩たちは本当に、今まで会った誰よりもすごい人たちだった。


きっと、ここのバイトは何度でも帰ってきたら行ってしまう場所だろう。


社会人になる不安もあるけれど、「またね」が確立された場所があることは心の拠り所。


オーナーも、まるで私の母であるかのように、「しんどかったらいつでも戻っておいで」と言ってくれた。


別れの言葉はやっぱり、今生の別よりも「またね」が確立されていた方が嬉しい。


新社会人、しんどかったら逃げよう。今は出来るところまで頑張るぞ💪

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