日記📓
私の友人は可愛らしい小ぶりの鞄から、写真やシールで彩られたスケジュール帳を出した。
「これ、私のお気に入りノート」
口を結んで笑う友人の顔がキラキラしていた。
そのノートには日記を書いているという。
旅行へ行くと、その土地で買ったシールを貼り、写真を貼る。
表紙には推しのチェキ、可愛らしいステッカー、かわいいものが大好きな彼女がそのまま表現されたノート。
「どこに行くでもこのノート持ってくよ。ほんとおすすめ!」
ぽんぽんとノートを撫でるのを見て、羨ましく思った。
もし、日記を書き始めたとして、私には日記を続けられる根気と、それほどの愛情を注げるだろうか。
友人がその日記をつけ始めたきっかけは、漢字が書けなくなる不安があったためだという。
その日記を嫌にならないように、好きなもので溢れさせ、結果的に大切で大事なものになった。
話を聞きながら、私の脳裏によぎったのは、モネの睡蓮の書かれた、ノート。
モネの展覧会へ行ったときだった。
普段全くグッズを買わないのに、暗い水面にパッと咲いてるモネの睡蓮が目に入った。吸い寄せられるようにして、そのノートを買っていた。
お気に入りの睡蓮だったけれど、使い道もなく、飾ってるだけのノートだった。
私も、あの睡蓮をもっと好きになれるだろうか。
最近はその友人に影響され、モネの睡蓮に日記を綴っている。
無理だと思っても、やらなきゃじっとしていられない。
さぁ、いざ、ペンを持って長い文章を書くと、腕が痛くなってしまう。
買った花のシールを貼ると、ワクワクしてくる。
妹からもらったチェキと、このノートを持って、新社会人を楽しんでみよう。
私は続けられるんだろうか……
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