見出し画像

2-7,よわがり/kaerimichi

よわがり/kaerimichi

「手を繋いだら馬鹿が伝染る」
君はそうやってよわがりをディスる。
泉まくら聴いてりゃ気付かず過ぎてくハイパーリンク。
居づらくなる部屋で結末迎える女流作家の中編小説。
余裕で読めるノベル。
ああ、今日もつまらなかったな。
充電途中のiPhone。
何ヶ月目のバイト?
チークの色はピンク色。
ピンク色の中に色んなピンクがあるとか言ってるけど
「知らない」

通りを雨が濡らす。
靴紐がほどけしゃがみこんだ。
傘で守ったはずの背中が濡れて寒くなった。

「手を繋いだら馬鹿が伝染る」
君は口ではそう言う普通。
たまにだけ握り返してくれる。
僕のマイナスはそれで変わる。
クローゼットには入りきらない苦悩とか洋服があって。
売れる前のミスチルと最近のピロウズが好きだと言って。
人見知りが許し合えて僕を馬鹿にする時だけ笑う。
そのくせに冗談が通じ合わないようで機嫌が悪いわけではないんだけど。

そういう表情で。僕のことを見たりする。
あんまり昨日も寝てないくせに何があったか君は言ってくれない。
孤独でもさ、五億年ボタン届くねほら。
哀しいわけじゃないんだけど。
そんなに寂しくないんだけど。
僕は「寂しい」って口にするんだろう。
僕が「寂しい」って言えば君がそれを、馬鹿にしてくれんだろう?

通りを雨が濡らす。
靴紐がほどけしゃがみこんだ。
傘で守ったはずの背中が濡れて寒くなった。

最近わかった事があって君がつよがりなんじゃなくて僕がよわがりだっただけだ。
よわがり? 湯上り夜中に夜明かりを眺め。
「別れる?」「いや」

走って走って走って……

「手を繋いだら馬鹿が伝染る」
君はそうやってよわがりをディスる。
泉まくら聴いてりゃ気付かず過ぎてくハイパーリンク。
居づらくなる部屋で結末迎える女流作家の中編小説。
余裕で読めるノベル。
ああ、今日もつまらなかったな。
「別れる?」「いや」
チークの色はピンク色でそのピンク色の中にも色んな種類のピンクがあるらしいなんていうけど。
僕にはその違いがわからなくてさ。
わからなくてさ。
わからないことばっかりなんだけど。
いずれは向き合って。
もう少しだけ付き合って、くれればいんだけど。



https://open.spotify.com/album/60iF6g1ld5756poLEt1oU9?si=S2ZdPU6yQHeworsrVptPfw



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?