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まえばし心の旅031:お蕎麦屋さん

総務省の家計調査によると、2017年から2019年、前橋は「生うどん・そば」の支出額が全国で3位という。確かに、子供の頃から「出前をとる」と言えば、日吉町の大川屋さんというお蕎麦屋さんだったし、お昼の外食はお蕎麦やさんが多かった。また、親戚や知り合いが、家で打ったお蕎麦やうどんをよく持ってきてくれたりもした。多くの前橋市民にとって、お蕎麦・うどんは本当に身近な食べ物だろう。

20代後半、大宮で仕事をしていた頃があったが、その頃お昼に美味しいお蕎麦を食べたくても、なかなかお店がなかった。うどんを出すお店はけっこうあったのだが、前橋に比べると、お蕎麦屋さんは少なかった記憶がある。日常生活の中で、初めてお蕎麦との距離を感じた期間だ。
 
試しに、2019年版のタウンページを紐解いてみた。「グルメ・飲食関連」のページを見てみると、「飲食店」と「居酒屋」というざっくりとした分類のお店が一番多いが、きっちりとしたジャンル分けをされているお店を比較すると、「うどん・そば店」が102店舗と一番多く、それに次ぐ「ラーメン店」が70店舗であり、圧倒的な一番だ。それほど前橋は、うどんやお蕎麦のお店が多く、身近な存在と言える。確かに、ふとした街並みや住宅街の中にも、お蕎麦屋さんを見かけることは多い。

私は、お蕎麦は基本的に冷たいもりそば派だ。そして、細くてお蕎麦の味と香りがしっかりしている方が好きだ。なので、十割をおいてあるお店では、迷いなく十割そばを注文する。お蕎麦が目の前に運ばれてくると、初めてのお店ではまず、つゆの味を見てみる。個人的には甘さがない方が良い。そして、箸で蕎麦を掴み、半分くらいをつゆにつけ、力強く啜る。さわやかな食感とのどごしを楽しみ、残り香を味わう。そこに、ネギやワサビを少量口に入れると、口の中がすっきりとする。

天ぷらは、天つゆをめんつゆとは別に出してほしい。めんつゆに天ぷらをつけると、めんつゆに油が浮いてしまい、お蕎麦の味が濁る。そして、最後は残っためんつゆに蕎麦湯を入れて、また違ったお蕎麦の味を余韻の様に楽しむ。私はドロッとした下の方にたまった様な蕎麦湯が好きで、めんつゆとの理想の割合を探しながら飲んでいるうちに、蕎麦湯が終わってしまう。途中でワサビを入れるのも良い。最近は、「そばポタージュ」なるものを出しているお店もあり、濃くトロッととしていて格別だ。

お蕎麦は、飲んだ後の締めにもいい。その時は、たいがい、立川町通りから入ったところにある「かあちゃんち」だ。夜の9時からやっているし、「そばポタージュ」もある。他にも、夜、お蕎麦が食べられるところがあるといいなあ。

大渡町の「りく」にも「そばポタージュ」がある。私と同年代の店主が頑張っていて、タイミングがいいと十割を食べることができる。そして、カレーうどんにも出てきた「三俣結城屋」は、住宅街にあり場所がちょっとわかりにくいが、大きなせいろに入ったおそばにかき揚げが一つついてくるメニューが好きだ。東武バイパスの五ヱ門は、目の前に並んだ薬味バイキングが個性的だ。そして、産業道路の「そばひろ」は私の祖父が贔屓にしていたお店で、私も数多くいった。今は若夫婦が頑張っている。

さて、次はどこに行こうかな?

放送日:令和3年11月17日

音声データもこちらからお楽しみいただけます。



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