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稼げる新SNS「friendtech」から得た7つのインスピレーション

新SNS『friend.tech』が話題です。「稼げるSNS」と呼ばれ”株”のように友達を売買できる設計に海外で賛否両論が巻き起こっています。海外の著名人や有名インフルエンサーがこぞって参画し、参加後すぐに数十万円を稼げたり、運営元企業も開始10日でなんと2億円の収益を売上げる快挙を達成。

friend.tech』を実際触ってみると、良くも悪くもさまざまなインスピレーションが湧いてきます。今回は箇条書きでの「書き殴り」を共有します。まずは目次です。


①やっぱりweb3アプリにおける「◯◯toEarn」のキャッチコピーは最強

  • 「価値の移転をなめらかにする」という技術特性がWeb2.0時代には絶対に生み出せないブロックチェーンの「圧倒的な体験価値」であることは揺るぎのない事実

  • 「稼げる」ということに対して、ほとんどの人々が強いモチベーションを感じてしまう資本主義社会の功罪として生まれた可能性

  • 将来配布される「給付金(ガバナンス・トークン)」の期待も相乗効果あり

    • 有力VCと資本業務提携を行ったことで、より高い価値とリターンの現実味が帯びたことも「◯◯toEarn」を加速させることに

  • Axie、STEPNに続いて、ゲームではないジャンル=SNSからも成功例が生まれそう

    • 分散型SNSもブロックチェーンならではの魅力がつまっているけど、顧客が欲しかったものは”分散”ではなかったのかも

    • データを分権化する、永続的にデータを保つといったロマンにも人は魅力を感じるが、その何百倍もの抗えない魅力が「◯◯toEarn」には絶対的に存在している

②”インフルエンサーが稼げるモデル”は現時点でとても重要

  • friend.tech』は賛否ありつつ、海外インフルエンサーを中心に爆発的な盛り上がり(売上でもイーサリアム・Lidoに次いで3位に)

    • 人気インフルエンサーの場合、参加数時間で数十万円を売上もざら

    • 一般人は”友だちを売買”は嫌悪感

    • サービス名や機能名含めてかなり鋭い言葉遣いをしている(ShareはKeyに変更された)

    • すでに大きな盛り上がりを作っている点では(初期の仕掛けの是非はともかく)目的は達成しているように見える

  • バナー広告や動画広告のような数秒程度の説明では乗り越えられない、だからこそ長い時間解説を聞いてくれるインフルエンサーとそのフォロワーの関係が重要

  • インフルエンサーが”その気”になるためにも先行者有利な「◯◯toEarn」設計

    • 同じShareでも最初に購入したほうが価格が安い

      • 早く参加したほうが将来配布される「給付金(ガバナンス・トークン)」の額が高まりやすい

      • 招待制で入りたくても入れない仕組みが”FOMO”を駆り立てる

        • friend.tech』は招待コードがTwitterに溢れて簡単に入れるようになったため”改善余地あり”

  • インフルエンサーの話=解説を数時間〜何十時間も聞いてくれるエンゲージの高いフォロワーが初期のターゲットユーザー

    • 以下のハードルを乗り越えるために一定時間の学習コストを掛けてもらう必要があるため。すべてをゼロから行おうとしたら通常は3-5日くらいかかってもおかしくはないため、相当にめんどくさいし時間もかかるしお金もかかる

      • ①Safariでホーム画面にブックマークを追加(PWAのため必須)

      • ②Googleアカウント or Apple IDログイン

      • ③『friend.tech』の招待コード入力し参加

      • ④X(Twitter)アカウント連携(ない場合は開設から)

      • ⑤L1ETHをL2ETHへブリッジ後『Friend Tech』ウォレットへ送付

      • ない場合は、暗号資産口座開設→銀行口座から暗号資産口座へ3,000円分を送金(最小必須条件の0.01ETH)→L1ETH購入→メタマスクウォレット連携(ない場合は開設から)→自身のウォレットへ送付

  • インフルエンサーたる所以のリスクテイカーが多く、web3の場合、イノベーター層が多いので初期の「詐欺やラグプルなどのリスクある怪しいサービス」だと認識しても、「魔界」探索的なノリでサービスを触ってくれるため相性も良い

③「本当の顧客」にリーチするための初期「◯◯toEarn」戦略

  • STEPNのようにバブルチックに盛り上がったときに一般層までリーチが届き、その後、幻滅期=稼げない時期が来たときに、初期の「Earn」目的の人が抜け「本当の顧客」だけが残る

  • あえてバブルを演出するのは、Web2.0まではスタートアップが投資家向けにファイナンスで”この会社将来性ありまっせ=儲かりますよ”という営業を、toCにも行う民主化が行われているからとみなすこともできる

    • なぜなら、web3はこれまでは単なるお客さんだった人も最初から事業投資や経営に参加できる仕組みだから

  • 上記の戦略は爆発的なトレンドを作り出す可能性があるが”デメリット”もある

  • 「稼げます」ブランディングは一般的には美しくないと見られがち

  • ギラついた第三者による相場操縦などコントロール不能な炎上が起こる可能性(ex. Valu事件)

  • トークン価値が落ちるとその後はかなり長い期間初期ユーザーから「終わったサービス」と見られ続ける(ex. STEPN)

  • 現状、デメリットを上回るメリットが存在している可能性があり、海外サービスや有力VCはアプリレイヤーでもインフラレイヤー(L2チェーンなど)でも積極的に「◯◯toEarn」やガバナンス・トークン給付金を設計している

④広告に頼らないweb3サービスがこれから無数に成立していく可能性

  • 広告に頼らない分権化された真のSNSが成立する可能性

  • アメリカ大統領選挙にも影響を与えるくらいのSNSのアルゴリズムを世界中の多様な人たちで分権化していくことは、今後とても大事

    • その対極にあるのがイーロン・マスクのX(Twitter)。いまはアルゴリズムのオープン化など、いままでより健全な方向を目指しているように見えるが100%オーナーの気まぐれで世界に大きな影響を与えられる可能性がある

      • 仮にイーロン・マスクの家族が人質に取られてアルゴリズムを特定の団体や個人に有利なように強要されたら?

    • これまでのWeb2.0時代はアルゴリズムに一般の人がガバナンスを効かせる権限がなかった(あるいは影響を及ぼしにくかった)が、web3はガバナンス・トークンなどを購入したり受け取ることで、誰もが影響を及ぼせる

      • とはいえweb3も貴族主義でガバナンス・トークンをたくさん購入できるお金持ちが有利なため、トークン保有数から票数を平方根で計算する「Square Root Voting」(ex. 4トークンなら2票分、100トークンなら10票分など)や、DIDやGitcoin Passportとの連動で1人1票のリアル世界の選挙と同じような仕組みが検討されている

  • 広告に頼らないことでクライアントに”忖度”などがないよりソーシャル・グッドなアルゴリズムが駆動する可能性

  • アルゴリズムをどこかひとつの企業やオーナーが中央集権的に管理するのではなく、今後配布される予定のガバナンス・トークンのDAO投票を通じて非中央集権的に運営管理されることで、利用者や社会にとってより良い仕組みに時代とともにアップデートされていく可能性が高まる

    • これまでは逆立ちしても手に入れられなかった”アルゴリズム変更権限”をついに一般の人も手に入れられるようになることをは、web3ならでは=Web2.0よりも世界の人々が権限を持つという意味で「公平」に近づいていく

      • web3内の権限の差は残るので、「Square Root Voting」や「1人1票」をブロックチェーンで実現する方法が模索されている

    • Nounsのようなガバナンス投票がオンチェーンで可決されたら、(スマートコントラクトで書かれた)アルゴリズムが自動更新される仕組みを想定

    • 運営企業ではなくスマートコントラクトが中心にある本格的なDAOが作れる可能性

⑤無名企業が開始10日で2億円の売上=web3アプリのポテンシャル

  • SNS以外にも横展開の可能性がある

    • ゲーム以外にもようやく「◯◯toEarn」でヒットが出てきた

    • Web2.0時代のあらゆるWebサービスが同様の仕組みで「広告にモデルに頼らない」マネタイズができる可能性=動画共有(ショート動画含む)、画像共有、テキスト共有(チャット小説含む)、レシピ検索などあらゆる領域

  • 初期から収益を生み出し一気に資金調達をして、足りないリソース=ヒト・モノ・カネを短期間に埋めていく戦略が有効そう

  • UI&UXはひどい状態でも「◯◯toEarn」だけの爆発力で一気に駆け上がれる=デザイナーなどは次のフェーズでハイヤリングすればいいのでまさにブロックチェーン・エンジニアの時代

  • 「オンラインサロンの簡易版」といった本質的には投稿コンテンツの質が重要なサービスのはずが、初期は「◯◯toEarn」だけの爆発力だけで、コンテンツの中身自体が問われない

    • 価値が高まるからいま買わないと損=FOMOを発生させてしまう=バブルの演出さえ可能に見える

  • 初期ユーザーも儲かるので、必ず「ポンジ・スキーム」的と言われてしまう

    • 考え方によっては、スタートアップが初期に絵空事をエンジェル投資家や投資会社に大ぼらのピッチを行うようなもの

      • それが民主化して一般ユーザーまで巻き込む形になっているのがweb3

  • 「Day 1」初期からマネタイズができるならば、Jカーブの赤字を深く掘ることもなく、投資家やVCすら不要になってくる可能性あり

  • DeFi以外でスマートコントラクトが動いてマネタイズが行われたことが驚異的

    • 本格的なDAO化にかなり近い存在になりうる

      • friend.tech』の中央のスマートコントラクトのアップグレード権限を、ガバナンス・トークンでのDAO投票結果でしか動かせない状態にした場合、運営企業や創業者や開発者さえも、ビットコインのようにブロックチェーン上のプログラムを変更できないため、あたかもデジタル公共財のように振る舞うため

⑥PWA(プログレッシブ・ウェブ・アプリ)による疑似アプリ化

  • Apple/Googleの承認なしでリピート率・継続率アップ

    • ホーム画面にアプリブックマーク(リピート率・継続率アップ)

    • プッシュ通知(リピート率・継続率アップ)

  • NFTや暗号資産の取り扱いも自由自在

  • 30%のプラットフォーム手数料を気にする必要がない

  • 開発や機能改善・更新・メンテナンスの柔軟性=Apple/Googleに承認いらず

⑦最適なタイミングでのL2「Baseチェーン」という選択

  • 2023年内にもGAS代が最大1/100になるL2チェーンのOptimistic Rollup系統

    • 移行が進めばイーサリアムの長年の問題が大幅に解決する可能性

  • 米国最大手コインベース主導のチェーンで信頼度は抜群に高い

    • Op StackというBaseの中身は有力な成功しているL2チェーンOptimism(ArbitrumについでNo.2)で動いているため安心感あり

  • イーサリアムの分散性を保ったまま、GAS代が1回あたり10円以下(今後は1円以下?)になると、アプリ内のトランザクションにかかるコストが心理的にも実際的にもまったくもってスムーズ

    • まるでインターネット光回線が来て高画質動画が流行ったような感覚

  • 今後、『friend.tech』で集まったBaseチェーン上にあるETHを保有するユーザー向けにさまざまなアプリケーションが提供されていき、一大L2チェーンになる可能性が高い

    • DeFiは当然のことながら集まってくる

    • L2チェーンへのブリッジをコインベース(Onchain Summerプロモーション)や『friend.tech』がコストを負担してくれているので、今後提供されるサービスやアプリケーション側のコスト負担がより少額で済む

などのインスピレーションを受けました。現場からは以上です。こうしたサービスが生まれて、web3時代に一歩ずつ近づいていくかと思うと、ワクワクして今日も8時間しか眠れません。

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