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つつしむ賢者

その身をつつしみ
そのことばをつつしみ
その意(おもい)をつつしむ
これらの人こそ
おのれを護る賢者という


数年前に京都の泉涌寺へ。拝観券の裏に、この言葉が書かれていました。
法句経の言葉だそうです。

つつしむ、ということばが印象的なこのお経が心に響き、毎日目にはいるよう、日記帳のクリアポケットに入れています。 

法句経って何だろう?と、知らなかったものですから、本を買いました。
講談社学術文庫の『法句経』です。ぱらぱらと本をめくってみると、詩のような短いお経がたくさんあります。

仏教のことばなのでむずかしくてすぐには意味のとれない詩句もありますが、どれも美しくて、声に出してみたくなります。

夜、眠る前に読むのにいいなと思える、自分を省み、先を思うときの導きになるようなお経でした。

冒頭に記したお経は、法句経の第17品忿怒(いかり)の234。

怒りは厄介で、わりと怒りっぽいわたしは、ついついストレートに相手に怒りをぶつけてしまいがち。直したいなあ、もっと一歩踏みとどまりたいなあ、そもそも怒るのはどうなんだと反省することもしばしば。

第17品の232には、

語(ことば)のいかりをまもりて
ことばをつつしむべし
いうべからざるを棄てて
いうべきをいうべし

とあります。

いかりをまもってことばをつつしむ、とは?

本の後ろの方には解説があるので、首を傾げては参照します。

思うことと表すことはまた別のことということでしょうか?
いかりそのものから自分を遠ざけることがまずはできたら。

つらつら考えますが、まずはお経の言葉の美しさが、意味は完全にわからずとも胸を打ちます。



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