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【書評】

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記事一覧

シャーロック・ホームズ/コナン・ドイル【書評】

※筆者は『赤毛連盟』しか読んでいません こんにちは。ハカイさんです。 今日は珍しく友達とあって図書館で軽く勉強したり、外でお昼ご飯を食べたりしました! で、たまたま名探偵コナンからシャーロックホームズの話題になって、「面白いから読んでみて」と勧められて読んだのですが、面白くなかった… 僕史上初の推理小説!わくわくとともに開いた青空文庫!特異な事件と種明かし! はい終わり! …え? だから何なんだ。というのが率直な感想ですね。 簡単な数学の問題の答えを見ているような感

【毎日短歌】羅城門に啼く/松下隆一【書評】

なむあみだぶつなむあみだぶつなむあみだぶつ唱えれば満つ羅城門こんにちは。ハカイさんです。 前に読んだ「春を待つ」が面白かったので、松下隆一さんの代表作「羅生門に啼く」を読ませていただきました。 「あらすじ」 親を知らずに育ち、殺人や悪事をして日銭を稼ぐ主人公イチは、役人に捕まり斬首されるところを市の聖空也上人に助けられる。 上人と行動するうちに回心し、以前に自身の手で殺した女の娘の面倒を見ることになるが、娘は身籠っていた。 親と子という関係自体を憎んでいたイチが、他人の子を

【毎日短歌】異邦人/カミュ【書評】

他人の心を土足で踏み荒らす 正義のヒーロー 「人間性」沖縄旅行の飛行機の中でフランスの文豪カミュの異邦人を読みました。 図書館で何気なく手に取ったのですが、さすが名作。面白かったです。 あまりに有名で、現代の古典とも評されるほどの作品なので僕の書評なんて参考にならないとは思います。18歳の読書感想文と思ってください笑(実際そう) 「あらすじ」  主人公ムルソーは母の死に涙を流さず、翌日に海水浴に行き、女と寝て、喜劇映画を見て笑い転げ、友人の女出入りに関係して人を殺し、裁判

【毎日短歌】春を待つ/松下隆一【書評】

子は親に 親は子に 生かされている 冬を超え 今、春を待つ松下隆一さんの「春を待つ」を読みました。 勉強の為に行った図書館で休憩に本を読もうなんて思ったのが間違いでした。 読み始めたら最後まで、ノンストップで、読んじゃいました(笑) 何を読むか本棚を物色しているときに、春らしい明るいタイトルにひかれたので手に取ったのですが、結構つらい設定でした。 「子は親に、そして親も子に生かされているのだ」というテーマを重苦しい社会問題と絡めて描いた作品です。 子供時代に照らし合わせて

【毎日短歌】東京都同情塔/九段理江【書評】

2023下半期の芥川賞受賞作「東京都同情塔」を読みました。  言葉が大きなテーマ。  最近隆盛する「多様性」や「平等」や「言葉遣い、表記」、さらにオリンピック問題やコロナ禍など時事問題までも広く扱っている。  世界的に有名な建築家の中年女性と貧困の若年男性のやり取りを中心に物語が進み、所々で出てくる伏線がぽんぽんと回収されていくのでテンポ良く読み進めることができた。  登場する人物やもの全てにおそらく意味があり、何らかの比喩であることが手に取るようにわかるのだが、彼らが吐露