岐阜県恵那市_恵那駅006

どんぞこのブルース。2017年を振り返って

「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」とトルストイも言ってますが、2017年の編集部はまさに百花繚乱。色とりどりの不幸が、毒花を満開にしてました。

まあ聞いてくださいよ。

2017年が幕を開けてから、徐々に始まったのです。『八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産』を2年半ぶりに発売できてほっとしたのも束の間、新刊発売から一週間後に、本を預けていた取次会社の地図共販が倒産。

250万円回収不能金が出て、弊誌はリアルな存亡の危機に陥っていたのです。

PIEインターから独立して、ひとり出版社を営んでいる大福書林さんに相談しに行ったり、トランスビュー封入会にお邪魔したり、書店員時代に知り合った地方小出版系の版元さんや書店さんに電話したり…とあがきまくってました。

で、とりあえずの方向性として、2017年の夏には新刊を出して、トランスビューさんに流通をお願いしようと考えていました。

おっしゃ、と気合を入れた矢先のことです。

4月に1人、7月に2人、8月に1人、9月に1人と…、定員6名のチームなのに、半年間で5人が辞めて。新入社員が入ってすぐ辞めるの繰り返しで。そして誰もいなくなった…りはしませんでしたけど、それはもう砂をかむような日々を過ごしてきたわけですよ、コアメンバーの4人は。

ロマンチックな我慢汁を垂れ流して放浪する司令塔のS井、大黒柱と恐れられつつも40過ぎたら酒癖がさらに悪くなった山P、万年期待のホープで生粋のうちなーんちゅのI波、36歳今年厄年なのに中二病から卒業できない石Kの4名です。

矛盾不純に書いたので詳細はカッツ・アイするけど、弊社には2つの制作チームがあって、ひとつは八画文化会館。もうひとつ、というかこっちが花形ですが、今世間の風当たりがビンビンに強いアダルトビデオです。

STUDIO VOICEの「ゆれるエロ」 でも特集されてますが、AV業界も大揺れの1年でした。以前パチンコライターの栄華さんと話していたときに、パチンコ業界も似たような状況だと共感してもらえたのですが、規制との戦いなんですよね。モザイクが薄いとか、許可とってるのかとか、重箱の隅をほじくりまわされているわけです。ちなみに、パチンコは射幸心を煽ってはいけないということで、イベントなどいろいろと規制が入るそうです。

世の健全な男子諸君には、ぜひもっと声を上げてほしいところです。

そんな両輪がグラついてる状況で、八画の方も、追い打ちをかけるように、夏冬連続でコミケ落選。本を作っても流すラインがなくなってしまったのです。まさに八方塞がりとはこのことだと思いました。

なので上半期には、商品のパイプラインの復旧工事とばかりに、HPと通販サイトのリニューアル、送料無料にするために配送方法変更などの直販営業の立て直しに追われてました。

制作面でも予算の見直しでリニューアル。下半期は誌面のリニューアルで、ああでもないこうでもないとの模索期間でした。人の不幸は蜜の味だけど、自分の不幸は、もう味がしなくなったガムをずーっと噛み続けてるような感触でした。

でも年が明けてからは、風向きが少し変わったようです。今年は本誌2冊、ミニサイズの本2冊刊行を目標に、こつこつやっていこうと思いますので、どうぞご贔屓に。では!(石川)

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