生い優る

気ままな女ふたり旅で、偶然見つけた大きな湖のある公園。
「ねえ、ボート乗ろうよ」
彼女の提案に、私も異論はない。

ボート乗り場に向かうと、3人のBOYSがいた。
小学校高学年ぐらいだろうか。
彼らが手漕ぎボートに乗り込んだあと、
私たちは足漕ぎボートに乗り込む。

悠然と泳ぐ水鳥たちに負けまいと、ふたりで湖に漕ぎ出す。
ん? BOYSはどこにいる?
後ろを振り返ると、未だ乗り場付近で停滞するBOYSのボート。
見かねた係員のおじさんが漕ぎ方を教えているけど、一向に前に進まない。
ふたりで顔を見合わせて笑う。

時間いっぱい水上の旅を楽しんだ私たちとは対照的に、
BOYSはむくれた顔でボート乗り場を後にした。

「ねえ、5年後にまた来ようよ」
「なんで?」
「5年後なら、彼女を乗せてうまいこと漕げてるかもしれないじゃん」

そうだね、また来よう。
がんばれBOYS、5年後にまた会おう!


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