箱臣脩人

書いたり読んだり寝たり食ったりしたりしなかったり。

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大人になった瞬間を覚えているか 〜『君と夏が、鉄塔の上』読書感想文〜

最後に空を見たのはいつか。 大人になった瞬間を覚えているか。 僕は、この小説を読んだとき、大人になったのだと思う。 今この文を読んでいる人は、きっと『君と夏が、鉄塔の上』をすでに読んでいるか、これから読もうと興味を持っている人であるはずだから、あらすじは少し触れる程度にしておく。 この小説は、鉄塔好きの伊達、幽霊が見える比奈山、奇行を繰り返す帆月の三人が、帆月を介してでしか見ることのできない鉄塔の上の男の子の謎を追う、ある夏の話である。多分。 あらすじはこれで十分だと

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