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庭の新しい仲間たち

梅雨の晴れ間。今朝は薄曇りだが時間が経つにつれ暑くなるという。燕が空中を旋回したり急降下したり滑空したりしている。「燕が低く飛ぶと雨が降る」という、今日はちょうど曇りの日の高さで飛んでいる。

芝生の上には干からびたミミズがいる。何故出てきたのだろう。夜の涼しさに気を許したのか。ミミズには既に小さな蟻が集っている。枯れた芝生を身体全体にかけられ、明日の朝にはマジックのように跡形もなくなるだろう。

うちの庭にはナス、パプリカ、トマト、ブロッコリー、とうもろこし、じゃがいもが植えてある。ガーデニングの本よりも1、2ヶ月ほど遅れて成長するのが当たり前のうちではじゃがいもの葉は青々と、ナスやピーマンの背丈はしゃがんで見下ろすくらいしかない。なかなか寝返りをしない我が子を見守るように優しく水をやる。
薄曇りでも葉は熱を吸収していたのか水をやると濃い緑の香りがむっと鼻を襲う。幼な子のやる気を感じる。

先日、花とは無縁の我が庭に2種類のゼラニウムを迎えた。蚊除けになるという。植木鉢に植えて縁側でぼんやりするときの自然な虫除けにしようと思っていたが、夫が1つは蚊の集まりやすい庭木の側に直接植え、もう1つは重くてびくともしない巨大植木鉢に植えてしまった。巨大植木鉢は縁側と対極の場所にでーんと居座っている。
もう虫コナーズをぶら下げるしかない。

そんなある日、夫はAmazonで縁台を買った。60センチほどの高さの縁側から直接降りて洗濯物を干していた私はそのワンステップに感動した。縁側から足をブラブラさせている時は太ももにサッシが食い込んで痛かったけれどそれも解消された。
そして何よりそこに蚊取り線香を置いた時の完成度に感激した。懐かしい香り、縁台に足を乗せてお茶を飲みながらぼんやりと過ごす。足元には犬が座って鼻をひくひく動かしている。完璧だ。
洗濯物が蚊取り線香に燻されている気もするが、それもまた日本らしくて良い。

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