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書籍レビュー『MOps マーケティングオペレーション』

『データマーケティングを主導するMOps』

マーケティングの現場において、データを見て施策を選定し、実行することは当たり前になっている。
その上で利用するマーケティングツールは種類が増え、Webや他システムと連携してデータを計測するための知識も必要になる。
その上でマーケティング活動だけでなく、そこで生み出した成果がどのように営業活動に貢献しているか、受注を獲得できているかまでを広い視野で確認することも重要である。
こうしたデジタルマーケティング上の課題を解決するための役割が本書で提言されているMOpsである。

マーケティング組織の役割をクリエイティブな発想を強みとするフィールドマーケターと、データマネジメントやツール活用を主導するMOpsに分け、両者の連携によってデータを活用した効率的なマーケティングを実現するものである。
マーケティング組織が一定以上の規模になると、各マーケティング担当者がツールの設定を行いつつ、KPIに設定したデータを同じ定義で取得したり、過去の別施策の効果から新施策の効果を予測することが難しくなってくる。これはツールやデータへの習熟と、全社のデータマネジメントにおける指標の定義の理解を、全員に共有することが難しくなるからだと感じる。

小規模なマーケティング組織であれば、マネージャーがMOpsの役割を担い、ツール導入時の設計やフェーズの定義、成果の把握方法などを設計することになるが、この方法ではいつまでたってもマネージャー以外のマーケターは自身の狭い業務範囲しか理解できない。
本書に説明されているMOpsの導入により組織全体のデータマーケティングリテラシーの向上が見込めると感じられた。

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