見出し画像

No.0111 今議論が進んでいるLGBT理解増進法について思うところ

 TVでどう報じられているのか持っていないので知りませんけれど(多分良い法案だからとか持ち上げてると思いますが)、自分が現在提出されている条文を見た上で思った事をこちらにつらつらと

 ちなみに、私自身としては「法律自体には賛成だけど、この条文だと逆に新しい差別が出来るから書き直して提出して欲しい」というのが結論になります。

ざっとした経緯・問題点はこれらで解説しているので暇がある方は…

↓ ↓ こちらは利権という観点での指摘 ↓ ↓


 ↓ ↓ こちらはLGBTQの定義と法案に観点での指摘 ↓ ↓


 賛成意見はそもそも既存のメディアさんの皆さんが解説しているので、問題点(特に下の松浦大悟さんの指摘は大事なところと思います)を紹介されているものを。

 改憲で議論が深まってないから国民投票やめましょうとか普段は主張されているのに、議論が深まってないこちらの問題はG7サミット前に成立させましょうとか、失礼を承知でいえば「あたおか」な事をしているのが既存メディアなんですよね。


 さてさて、では自分が見た条文の問題点を幾つか

まず前提として言えるのは

条文に記述している「性自認」に関して、当該者の性自認がその性別であるという客観的な証明は誰がどのように行なうのですか?

 トランスジェンダー女性なら女性、トランスジェンダー男性なら男性という性自認を誰が証明するんですかということ。現状で知る方法はパートナーシップ制度くらいしか思いつかないんですが、どうするんでしょうね。
 戸籍に性自認の箇所でも作るんでしょうかね?それこそ本末転倒なのではと思っちゃいますが。

1.第九条と第十条について

行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、性的指向又は性自認を理由として、不当な差別的取扱いをしてはならない。

第十条 事業者は、その事業を行うに当たり、性的指向又は性自認を理由として、不当な差別的取扱いをしてはならない。

ともに衆議院サイトより

 いや、まず「不当な差別」って何?って話なわけで(こちらは上の須田さんの動画で指摘されていましたが)

 一般的に「正論」や「普遍的な事実」を指摘しても、該当者が「不当な差別だ!」って主張したら、それは「不当な差別」って認定されてしまう可能性があるのではないのでしょうか?


2.第十一条と第十六条について

第十一条 2 国の行政機関の長及び独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めようとするときは、あらかじめ、性的指向又は性自認を理由とする差別等を受けた者、支援団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

第十六条 使用者は、現に職場における性的指向又は性自認に係る社会的障壁の除去が必要である旨の申出があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、労働者の権利利益を侵害することとならないよう、職場における性的指向又は性自認に係る社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。

ともに衆議院サイトより

 下の条文は、雇用した時の事業者の方々が対象になります。

 えーと、つまり当該者が社会的障壁であると感じたのなら、これらに対して対処しなければいけないということです?
 市井の人も意見を言ってこれくらい反映・必要かつ合理的な配慮を努めて頂きたいのですが……当該者だけですか。そうですか。


 条文として個人的にひっかかるのはここら辺ですね。現在はこの法案とSDGsに関連してジェンダーレストイレが話題になっておりますね。


 とある方は「トイレ・浴場等のルールを定めたものではない」とコメントされていますが、この法案がなかったら、こんな事態にならなかった訳なんですけど(おまけに『自民党原案のままです』と『自分には責任がないんです』と思われてもしょうがないコメント)


  ここでまとめて見ると、自分から見たこの法案の問題点は

1.「性自認」を利用して「自分は男性だ!」「自分は女性だ!」と主張して無茶な要求を出したり、明らかに差別ではない事象を「差別だ!」として押し通す人が出てくる可能性があること

2.1と関連して「この法律のせいでトランスジェンダーは優遇されている」と思われて本来のトランスジェンダーの方が差別されるされる可能性がある


 となります。実際2の方は、自分が同和地区の人なので(同和対策事業。自分の代では地対財特法がありました) 同和学習するたびに「何か自分らだけ色々優遇されてて、他の人に悪いな…」と後ろめたさを正直持ったものです。

 地対財特法が切れて、奨学金が事実上の給付だったのものが通常の貸与になり「もう少し延ばして欲しかったけど……あぁ、でもこれが平等なんだな」と感慨にふけってました。

 なので、特定の該当する方が保護されたり、何らかの権利を得たりする法律は市井の人から「何であいつらだけ……」という感情が新しく芽生える可能性が高いです。
 その上、該当者は「ごめんね」と後ろめたさが残ります。


 LGBT理解増進法は、市井の人と該当者のギャップをなるべく埋めて、男性・女性・トランスジェンダー含めた方々皆で支え合うような法律になってほしいのです。

 今回提出された法案の中身を見る限り、男性・女性・トランスジェンダーが互いに憎み合って攻撃しあうという地獄のような展開になる可能性のある法案って感想です。

 だから「海外では皆法律がある!」「日本だけがやってない、遅れている!」とかで法律を通すのは「現行で起こっている海外の事例を無視して同じ法案を通すの?そこら辺も加味してアレンジした方が良くないです?」って突っ込まれる訳でして。

 元々の骨子は出来上がっているのに、変に追加したせいで現状の法案になっているので、G7までにと拙速に法案を成立させずに、もっと深いところまで議論して、し尽くして、よりよい法案にして成立させて欲しい。


 と、長文になりましたが、最後あたりが自分の正直なところです。アメリカの圧とか期限とかではなく、日本の中で皆が何とか支え合ってより良くしていきましょう!という力強い法案にしてもらって通してもらえるのなら自分からは言うことはありませんです。

 その法案は、とても重要な法案なのに真面目に、本当に真剣に作られましたか?AV新法のように声の大きな人達だけで決め、当事者達の声を聞かずに当事者達を地獄に送り込むようなことになりませんか?

  今一度、考えて欲しいと思います。