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こないだのつまみ #8 粕汁

関西の酒好き連が「冬場は粕汁をつまみに呑むよ」なんて仰るのに、ちょっと憧れていた。自分が触れてきた文化にはまったくないものだったので。

確かに関西の酒場を訪ねると「粕汁あります」なんて貼り紙をたまに見かける。秋も深まってきた頃には「粕汁はじめました」なんて知らせも貼られていたりしてね。冷やし中華よろしく、季節の変わり目を告げるものでもあるんだろう。

1月も終わりの頃、兵庫は明石の名店『立ち呑み たなか』を訪ねる旅をした。何を食べてもうまい店。粕汁が品書きにあったので、これは頼まねばと即お願いする。

うーん……酒粕がきつくなくて、まろやかで実にうまい。塩気は強くないのにちゃんとアテになるなあ。あったかい汁をつまみにするって、すまし汁や鶏スープでも思うけどいいもんだよね。

聞けば長野『大信州』の酒粕を使われているとのこと。おお、地元の酒粕じゃないんだな。あれこれ試して行きついた酒粕のようだ。ただ具によって酒粕のメーカーも変えるらしい。

日本酒を飲みつつ酒粕をつまみにする。なんだか無駄のない感じもいい。

右は昨年出版されたレシピ本がヒット中のおかみさん。粕汁の作り方を教えてくれた!
カウンターにずらり並ぶ魅惑のおつまみの中から選んだ「牡蠣の南蛮漬け」がとびきりのうまさ

明石は呑み助にとてもやさしいまちだった。
昔に比べればずいぶん減ってしまったらしいが、立ち飲みや角打ちが多くて歩いていて飽きない。瀬戸内海はすぐそこで眺めもいい。

明石紀行は今回で2回目、また必ず行きます。

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