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はやくそれになりたい!

4月14日
昨日の夢の国での夢のような時間から一変。
朝からホテルでバイトである。

なぜ私は今日バイトを入れたのか。百歩譲ってバイトするにしても夕方からにすればよかったのに、何が悲しくて朝6時に起きなければならないのか。死ぬほど眠かったわ。
しかし、業務自体は楽なバーカウンターでのドリンクの提供役になった。

バーは数ヶ月前に2度ほどやったことがあるので、顔なじみのスタッフが多い。それに、わりと適当な挨拶・会話でも怒られないし、年上の社員のボケに強めのツッコミをしても注意されない。AD時代にプロデューサーのボケにツッコミで返したとき、まあまあ怒られたのまじで解せなかったもんなぁ。ボケは投げかけられた言葉だぞ?無視が1番ダメだろ。
私は経験の浅いバイトなのでソフトドリンクを注ぐくらいしかしないのだが、一緒についてくれる先輩スタッフはほぼバーテンダーで、美しい所作のもとカクテルを作っていく。ジントニック、モスコミュール、カンパリソーダ……鮮やかな色の飲み物をテキパキと作り、仕上げにポセイドンの槍みたいな銀のマドラーをくるくる回す姿は魔法使いのようだった。

「カクテル作れるのかっこいいっすねぇ」
私は基本的に脊椎反射で会話しているため、平気で本職の人にこういうことを言ったりする。お酒を作ることが当たり前のバーテンダーさんはだいぶ言われ慣れてなかったのだろう、たいそう驚いた表情だった。
「でも、もちづきさんだってハイボールくらいは作れるでしょ?」
目分量でだいたいわかるし、と彼は尋ねてきたが、あいにく私は超のつくほどの下戸だ。味見すらできないのだから何が正しい量かもわからない。その旨を伝えると「今暇だから教えてあげるよ」と黄金比率をレクチャーをしてくれた。できることの幅が広がったぜ。

あとはグラスを拭いたり、ゴミ捨てに行ったり、上司スタッフのボケを拾ったりと雑務ばかりだったが、重労働ではない上に穏やかな時間を過ごしながらお金を稼げたので大満足である。
帰りに『コンビニに高めの価格で売ってるタイプのオレンジジュース』をもらったので、大事に飲むことにしよう。

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