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自分に似た人

 「世界には自分に似た人が3人いる」と言われるが、実際にそっくりな人が現れるとなんとも居心地が悪い。

 私の場合は東京大学先端科学技術センターの西成活裕教授だ。専門は数理物理学で、「渋滞学」の権威として時々テレビでお目にかかる。

 つぶらな瞳にメガネ。なによりもヘアスタイルが同じスキンヘッドで、その形状までそっくりなのだ。気になった方はグーグルで画像検索をしてみてください。

 テレビで教授を見るのは照れくさい。

 もし家族が一緒にいたら、そっとチャンネルを変えるか、別の話題を振って注意を逸らすだろう。まるで“濡れ場”がテレビに出てきてしまった時のようなドギマギである。あるいは逆に「あ、俺に似てる!」と、こちらから話題にするかもしれない。

 いちばんイヤなのは、他人に「この人、似ているね」と指摘されちゃうことだ。

 しかし、その“居心地の悪さ”はどこから来ているのだろう?

 西沢教授は犯罪者や嫌われ者ではない。それどころか、「ご高説をありがたく拝聴する」役回りのご出演なのだから。

 心理学的にズバッとそのあたりを言い表すような用語があるのかな。
(22/12/15)

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