秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し20…

秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し2021年に別部署へ異動。2023年に定年退職してシニアスタッフに。趣味の読書はミステリー、佛道、ノンフィクション、人文系など。仕事を離れた文章を書くことの楽しさに目覚めてnoteデビュー。

最近の記事

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「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文は人なり」といいます。定年を間近にして、これから会社以外の世間さまで出会うであろう人々に「私はこういう者です」と言えるような記事を書いていきたいと思っています。しかし・・・ 苦労した駆け出し時代サラリーマン記者として昭和の終盤からニュース原稿を書いてきました(キャリアの中ではカメラマンなどもやりましたが)。大きな枠としてはこれも「文章を書くこと」ですが、宿命として取材と執筆を両立させる必要があり、常に時間に追われる作業になります。もちろん趣味で書く物ではないし、上司(デ

    • ああ、GWか

       9 to5でカレンダー通りの勤務なので、一応きょうからゴールデンウィークということになる。  「一応」と書いたのは、ことしの暦の関係で来週は3日間出社があること、家族そろって行楽へなどという年回りはとっくに終わっていること、先週来の風邪がまだ完全には抜けきっていないので体力の回復と温存が最優先という気分であること、などからだ。  テレビニュースで「出国のピークです」というのを見せられても「あーあ、また円安が進んじゃったし、ご苦労なこった」とぼんやり思うだけで、羨ましくも

      • 夢中で読んだ傑作!【感想文】「同志少女よ、敵を撃て」逢沢坂冬馬

         なんてこったい。2021最後にすげえモンを読んでしまった。  アガサ・クリスティ賞選考委員全員満票も伊達じゃない。本書の魅力は法月綸太郎氏の選評が簡潔に記したものに尽きるが、ストーリー、キャラクターの成長と変遷、内面描写、世界観のすべてが素晴らしい。外国勢なら映像作品化も可能か。  あちこちで言われているが、新人作家がこんな傑作を書いてしまうと、この先はどうするのか?この作品を超えることが作家としてのキャリアの最大の目標になってしまうのではないか。そこ、心配なり。  表紙

        • 気力も体力から

           週末から始まった風邪はあれよあれよと坂道を転げ落ちるように悪化して3日も会社へ行かずに「テレワーク」となってしまった。  それにしてもすっかり市民権を得たなあ「テレワーク」。たとえ「ワーク」ができなくでもなんとなく「家で頑張るのでよろしく」的な弁解ができている(自分の中で)。  特に火曜日の午後には激しい頭痛があってとても仕事どころではなかったのだ。一転してほぼ回復した昨日は朝からしっかり仕事モードになることができて、「ああ、やっぱり気力も体力からくるんだなあ」と当たり

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        「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

          現場ならではの哀感【感想文】「非正規介護職員ヨボヨボ日記」真山剛

           大好きな実録お仕事日記シリーズ。もうこれが6冊目かな。  舞台が舞台なだけに直視を避けてしばらく手をつけていなかったが、軽い筆致で面白く読了した。筆者のいうように、こうした現場ではある程度割り切って接していかないと身が持たないところもあるだろう。 (21/12/30読了)

          現場ならではの哀感【感想文】「非正規介護職員ヨボヨボ日記」真山剛

          チラシの怪

           毎朝配達される新聞。折込み広告にも一応目を通すことにしている。といっても墓地やマンションや、最近とみに増えた「自宅の貴金属、買取ります」などを読むことはない。気になるのはスーパーの安売り情報と家電量販店くらいか。  けさ驚いたのはドラッグストアの同じチラシが6枚も入っていたこと。カバー写真がそれである。  本来ならば1部につき1枚ずつ入っているべきだろう。何が起きたのか。  自分なりに推測すると、広告を手差しする販売店スタッフが面倒くさがってガバっと一度に数枚ずつ入れ

          チラシの怪

          知っていた項目も多かった【感想文】「定年前後お金の裏ワザ」荻原博子

           最近は問題意識から類書をいっぱい読んでいるので、知っている知識も多かったが、とにかく面白く読了。人生後半を迎えて知ってると知らないでは大違い、マネーも情報戦やなあ、と思う。  活字の組み方はかなりスカスカではある。この方も似たような本を乱造してるんだろなー。 (21/12/27読了)

          知っていた項目も多かった【感想文】「定年前後お金の裏ワザ」荻原博子

          天使と悪魔の綱引き

           強風の神宮で風邪をひきそうになったことは昨日ここに書いたとおり。  仕事がなかったきのうは風邪薬を飲んでゴロゴロしていたところ猛烈に眠くなって、午後はうつらうつらしてしまった。夜もしっかり眠れたということは、やはり体調を崩している証拠なのだろう。  トローチ、うがい、のどスプレー、風邪薬を総動員したおかげで、就寝時には喉の痛みはかなり治まっていた。しかしきょう未明には猛烈な痛さで目が覚めた。寝ぼけ眼をこすりながら、またうがいとトローチである。現在あさ9時。幸いなことにい

          天使と悪魔の綱引き

          ラクチンに流される朝

           熱心になったりそうでもなかったりの波はあるが、とにかく40年来の横浜DeNAファンの私。昨夜は同志である元部下と一緒に神宮球場での観戦だった。  前節まで4連敗と絶不調のわが横浜DeNAだが、この日の予告先発はエースの東。自分の観戦日にエースが登板とはなんともラッキーである。  朝から気持ちのいい快晴ながら北風が強く、昼間のオフィスの窓も時折ビリビリと震えるほど。「こりゃあフライがあがったら野手は大変だ。荒れた試合になるかもなあ」などと呑気に考えながらプレイボール前には

          ラクチンに流される朝

          “商品”として成立していないのではないか?

           18日付産経新聞1面トップ記事を見て、アタマの中が???でいっぱいになった。  このネット記事では「最速令和19年」と表示されているが、カバー写真に載せたように、紙面ではいきなり「19年」だったのである。  無意識に「ことしは(20)24年」と認識しているのだろう、見出しを見た瞬間に「19年っていつや?」と考える。リード記事に進んでやっと西暦2037年のことだと気づく。  きっと産経新聞には「年は和暦で表示する」というキマリがあって、この記事もそれに従ったまでなのだろ

          “商品”として成立していないのではないか?

          インバウンドの威力を実感

           業務打ち合わせのため、平日に箱根の強羅方面へ行った。  日帰りなので打ち合わせを11時に設定、箱根湯本を10時頃に出発する箱根登山電車に乗ることになる。  すでにここからすごいことになっている。平日なのに出発までに座席はすべて埋まってしまった。ざっくり8割以上が外国人である。日本人は肩身が狭い想いをしているようにも見えるほど。  ある観光施設の方は「ことしはバブルの頃に匹敵するお客さんの来訪です。でも傾向はすっかり様変わりで、あの頃は修学旅行生が集中する月や閑散期など

          インバウンドの威力を実感

          超消化不良の夜

           ある会合のメンバーのひとりが人事異動で、送別会をやった。その夜、就寝後のことである。  胃が重くて目が覚めた。内容物がゴロゴロ残っている感じがしっかりあり、摂取した揚げ物の匂いまで感じることができる。これまであまり記憶にない事態だった。  滅多に口にしない胃腸薬を取り出して服用したらすぐに治まってくれて、朝は爽快な気分になった。服薬、おそるべしである。  業務の負荷の疲れがなかなか抜けない。胃腸も弱っている。老化しつつあることをちゃんと認識しながらソロリソロリとやって

          超消化不良の夜

          闘病記と花のフォトエッセイ【感想文】「キャンサーギフト」杣田美野里

           北海道礼文島在住のフォトエッセイストさんの著作。花をめぐるエッセイと闘病記が交互に綴られる。  写真や短歌のことはほとんどわからないが、闘病の中で見る花が著者にこの上なく美しく映っていることが伺いる。それを「ギフト」と呼ぶ心はいまの私には理解できない境地だった。  お名前をネットで検索して、10月に死去されたと知る。ご本人が書かれているように、本と写真はしっかり残っています。 (21/12/25読了)

          闘病記と花のフォトエッセイ【感想文】「キャンサーギフト」杣田美野里

          躊躇する長さ

           60歳になると映画がシニア割引で見られる。一般2000円のところが1300円になるの施設が多いようだ。  とはいえ。  私が60歳に到達してから7カ月が経ったが、この間に一回も行っていない。自社モノは試写チャンスがあるという特権もあるが、実は「観たいものがない」「それならわざわざ時間をかけずに家で本を読んでいたい」というのが要因だ。  それでも珍しく少し食指が動いたのが、“原爆の父”を描いた「オッペンハイマー」である。被爆国・日本で公開が遅れたこと、アカデミー作品賞な

          躊躇する長さ

          “撮り鉄”の甲子園?

           トイレにカレンダーが掛かっている家庭は多いと思う。というか、カレンダーなんて家にはトイレとリビングにひとつずつあればもう十分だろう。  ことしの我が家のトイレはJR東日本である。カミさんの卓球仲間の息子さんがお勤めというご縁からやってきたもの。「なかなかレアものらしいのよ」と、それまで掛けていた私がゲットした猫カレンダーを押しのけて鎮座した。  座っている際はボーっと眺めて無聊をなぐさめる。今月の写真はピンクの花のトンネルを列車が走り抜けているもので、キャプションには列

          “撮り鉄”の甲子園?

          酷い翻訳にがっかり

           この数年は年間およそ300冊を読了している。しっかり数えているわけではないが、内訳は小説が45%、それ以外が55%くらいなのではないか。  小説はもちろん娯楽として楽しんでいるものだが、かといって「人文書はお勉強として読んでいる」ということでもない。優れた人文書に出会うことは喜びであり、その意味で「すべての読書は楽しくて仕方がない」のである。「知るは喜び、調べるは楽しみ、わかるは感動、学は一生」という“名言”をネットで見かけた。その通りだと思う。ちなみに「この言葉の出典は

          酷い翻訳にがっかり