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ずんぐりで“セクシー”

NHKBSで内藤多仲という人の番組をやっていた。東京タワー、通天閣、名古屋テレビ塔を設計した“塔博士”らしい。まさか東京タワーと通天閣の設計者が同一とは考えもしなかった。

改めてじっくり眺めると東京タワーにはなんともいえない優美さがある。もちろん多くの日本人と同じように、あの塔に高度経済成長のノスタルジックなアイコンという意味を勝手に付与していることもあるのだろう。

東京生まれの東京育ちなので大阪にはほとんど縁がなかった。それだけに、難波から高野山へ向かう南海電車の左側にちらっと通り過ぎていく通天閣の存在感はなかなかのもので、いつもワクワクドキドキしながら探している。

そういえば数年前、高野山からの帰路にわざわざ足下まで行ってみたこともあった。入場券売り場には列ができていたのには意外な思いだったが、たとえガラガラでも入ることまではしなかっただろう。

高さは東京タワーにはるかに及ばない。スタイルは頭でっかちだし、日立のネオンサインが毒々しい。しかしそれがトータルで魅力になっているのは何故なのだろう。わざわざ登らずにいつも遠くから「おー、いるいる」と眺め続けるのが私にとっての通天閣であるような気がしている。
(21/10/30)


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