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「庭」の恵みを直接テーブルへ~「Les Tonnelles」(2)

さて、続きを書こうと思ったら、素晴らしい報告が。

Tonnelles(レ・トネル)」さんがミシュランガイド北陸2021に掲載されました!おめでとうございます。2つ星、グリーンスター!素晴らしいです。

2020年2月のオープン以来、ゴ・エ・ミヨ2021も掲載され、これからの展開にも目が離せませんね。

ぶどうの木の敷地内にあり、ぶどう園をはじめ、広大な農園に囲まれているここ、レ・トネル。

食材とゲストの距離をゼロにしたいという砂山シェフは周囲の農園を「庭」と呼びます。

庭でとってきた食材をすぐにテーブルへ。ファームトゥテーブルならぬ、ガーデントゥテーブルがレ・トネルの真骨頂。

アミューズを終え、満を持して始まるコースの最初の一皿はそんなシェフの思いが込められた、スペシャリテ。

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庭師 高田ラボ。

ぶどうの木の敷地内にある円形の畑「L’assiette(ラシェット)」に見立てた器に敷かれた土(おからロースト)に季節の野菜が植えられています。

それをゲストが収穫して、低温火入れしてさらに薫香をつけた卵黄と、
土佐酢のジュレを合わせたものをつけながらいただきます。

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納品書付き(笑)。

卵黄の上にはポン菓子が載っているのですが、シェフが好きなチャーハンをイメージして考案したのだとか。

卵黄とお酢だからマヨネーズ風かと思ったら、チャーハンですか。斜め上からの発想でした。

今回はアルコールのペアリングをお願いしたのですが、レ・トネルのソムリエで、ソムリエ協会石川支部長の福島大悟さんが選んでくださいます。

ぶどうの木農園からテーブルに上った野菜に合わせるのはぶどうの木のぶどうでできたロゼワイン。

このロゼワインはじめ、ぶどうの木(本葡萄園)のワインは、福島さんが監修されています。

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間引きされた野菜、くず野菜で作られたブリオッシュ。鉢植えから新芽が出ているようでかわいらしい。

ほかにも料理に合わせてパンが出てくるのですが、残っても肥料として循環させるのだとか。素晴らしいですね。

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1カ月人参。

この時期は野菜の種類があまりなく、シェフ泣かせといわれていますが、いろんな保存法で、美味しい野菜を提供しています。

この人参は、粘土でくるんで焼き、牛脂をまとわせ熟成させたもの。

ドライフルーツのような凝縮されたねっとりとした甘さが藁焼きした熟成鰆ととてもあいます。

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色白美人。

小松市でとれた朝とれのタケノコ「色白美人」をパン生地で包み、揚げて蒸し焼き状態に。

中にはふっくらと蒸し焼きされたタケノコとメカブ。

メカブバターをかけて、肉厚のヒラメと一緒に。

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春キャベツ。

カリカリのキャベツ、生のキャベツ、バターライスを包んだロールキャベツ、3つのテクスチャーと鴨が口の中で踊ります。

三つ葉の香りがいいアクセントに。

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苺。

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モッツァレッラ。

砂山シェフの料理を口にし、フランスからの帰国を決め、レ・トネルのシェルパティシエに就任した岸本亮さんのワザが光ります。

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最後は小菓子とハーブティでまったり。気候がよければテラスでもいただけます。

今回は昼間の明るい日差しが差し込む中でのランチをいただきましたが、夏のディナータイムの次第に日が暮れて色が変わっていく風景もおすすめとスタッフ。

早速予ディナーを予約しました(笑)


ここ、レ・トネルで、地方レストランの進展、そして自分たちの料理を追求し、ゲストとの豊かな時間を共有したいと砂山シェフ。

そんなシェフをはじめとしたスタッフの思いを五感で汲み取れる、優しい空間、それがレ・トネルというレストランだったのでした。


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