見出し画像

息子の音読の話

皆さん、「ちいちゃんのかげおくり」というお話を知っていますか?
小学校の教科書に載っている、戦争がテーマのお話です。

「かげおくり」とは地面に映った自分の影を 長い時間見つめて、一気に空などに視線を移すと残像現象で空に自分の影の形が見えるという現象です。



空襲から逃げる間にお母さんとお兄ちゃんとはぐれて一人ぼっちになったちいちゃん。

お母さんとお兄ちゃんの帰りを待ちますが2人は帰ってきません。
そしてある日、防空壕で眠るちいちゃんの顔に明るい光がさし

「かげおくりの出来そうな空だなあ」 と言うお父さんの声が空から聞こえました。

「ねえ、今、みんなでやってみましょうよ」 と言うお母さんの声も空から降ってきました。

「ひとつ、ふたつ、みっつ」 家族の声が重なり合います。

ちいちゃんがやがて空を見上げるとよっつのかげが浮かんでいました。。。


という感じのお話です。

もし、気になる方はあらすじを検索してみてください(^^)


息子が授業でこのお話を勉強していて

最近は音読の宿題が「ちいちゃんのかげおくり」なのです。

教科書を開き

順調に読み進める息子


最後まで読み終わると

「そっか、ちいちゃんは死んじゃったんだったね」

私がそんなことを言いながら

息子を見ると


なんと、号泣しているではありませんか!


えー!なんでー!?


ママが余計なこと言ったから!?

ごめん息子!


そして、次の日も

やっぱり音読は「ちいちゃんのかげおくり」です。


「えー!泣くから読みたくない!」
と言う息子。

前の日は私が余計な一言を言ったから泣いたのであって、私さえ気をつければ大丈夫なはず。

順調に読み進める息子。


しかし、話が終わりに近づくにつれ
息子の声は途切れ途切れ、目からは涙が溢れてきました。


なんと多感な!


私が小学校の頃は、教科書の話にそこまで感情移入もしなければ、泣いたりなんて絶対にしなかったのに。

ちゃんと心も成長してるのね。


息子の号泣ポイントはここ

〈本文から〉
体がすうっとすきとおって、空にすいこまれていくのが分かりました。
一面の空の色。ちいちゃんは、空色の花畑の中に立っていました。見回しても、見回しても、花畑。
「きっと、ここ、空の上よ。」
と、ちいちゃんは思いました。
「ああ、あたし、おなかがすいて軽くなったから、ういたのね。」

そのとき、向こうから、お父さんとお母さんとお兄ちゃんが、わらいながら歩いてくるのが見えました。

「なあんだ、みんなこんなところにいたの」 ちいちゃんは、きらきら笑い出しました。笑いながら、花畑の中を走り出しました。

夏のはじめの ある朝 こうして 小さな 女の子の 命が 空に 消えました。

 


確かに!

うん、うん
悲しいお話だよね( ; ; )


泣きながら音読する息子の姿を見ながら泣く私。
しばらくは毎晩息子と私は泣くことになるのです。



そして

「オレ、泣いちゃうから音読できません!って先生に言おうかなぁ」

と真剣に考えている息子なのでした(^_^;)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?