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CS Opsあるある〜過去データありません!〜

前回に引き続き、あるある事件簿です。
今回はデータが残っていませんでした事件。今では笑い話ですが、ハイタッチモデルで何百社との取引実績がある企業へ転職したため、汚くてもデータくらい残っているだろうと思っていたんですね。しかし、期待を裏切らず蓋を開けたら残ってなくて、お仕事もりもりでした。

ヘルススコアを作ってみたものの違和感

ことの始まりは、ちょうど1年弱前。同じ時期に入社したデータサイエンティストが回帰モデルを使ってヘルススコアの基礎を作ってくれました。精度も悪くなく運用にのせたいなと思い、細かめの確認に入ったところで、変な点があることに気が付きました。
変な点というのは、利用したデータ属性に偏りがあったことです。具体的には、お客様の利用状況データ、つまりプロダクト側から取得できるデータが多く、CSMの行動データが一切ありませんでした。不自然だったので尋ねてみると、CSM側の行動ログっぽいものがなかったので、使ってないと。おいおいマジかよ、絶対ログあるって…と思い、CSM数名に確認。ひどい事実が待ち受けていました。

そもそもデータを残すメリットがCSMにはない

聞き込みを開始すると、異口同音、こんな感じでした。

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考えれば当たり前で、CSMはCSMの仕事に全力投球。必要以上にデータを残したとてメリットもなく、役に立つイメージもないのでデータの残し方など考えてません。
さらに困ったことに残っていたプロダクト側のデータもスナップショット。つまり、過去のログが残っていなかったんです。これも当たり前で、プロダクト側に必要ない遺物みたいなもんは残せません。保守コストを爆上げするだけです。

最速でデータを残す仕組みを構築

とりあえず、今気づいてよかった…!と思い、CSM側の基本行動を残す仕組みを構築することにしました。まずはスピード重視で、欲張らず基本に忠実に。最低限の項目をTHE MODELなどの書籍を参考にしつつCSMと議論して決定。具体的には訪問回数、面会者、名刺交換枚数などを抑えていくことにしました。
仕組みとして使ったのはセールスクラウド。先にSales Opsで構築を進めてくれていたので、横滑りで借りれるものを借りて最速で組み上げました。問題発覚から運用スタートまで3ヶ月くらいで、規模の割には早かったと思います。
また、プロダクト側はデータサイエンティストが率先して動いてくれ、データレイクを構築することになりました。

未来をつくる、本来のデータ活用へ

衝撃の事件から半年ちょっとくらい、七転び八起き。それなりに統一した形式でデータが残るようになりました。最初は指定した入力が徹底されなかったり、オペレーションやルールを無視されたりと大変でした…笑 この軌道に乗せるところはまた別途、書きたいと思います。
現在は
偏りない属性データを使う
同一ルールで入力されたデータを使う
仮説を元に集めたデータを使う

と、1年前よりもずっと良い状況になりました。
結果的に、予測精度が上がってきていますし、予測したものへの対策の方にパワーを割けるところまできました。ここまで基本の基本みたいな仕事が多く、正直テンションが下がり続ける時期もありました。ただテンション下がっても続けておけば、必ず自分がやりたかった仕事に繋がります。活用できるデータがあることで拓ける未来があると信じて日々コツコツやっております。

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